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Racer Ferrari 412P '67 LM Team NART

ついにRacerから注目のFerrari 412Pがリリースされた。 もとはスケールモデルメーカーの実力を活かして333SPを引っさげてのスロット参入だったが、Slot.itのランニングコンポーネントとレジンボディのスケール的なフィット感がいまひとつ(特にタイヤまわり)だったので、このFerrariを見るまでは全面的に期待していた訳ではなかった方にとって、それはまさに杞憂に終わったと言える。

限定300と言われるこのシリーズはこの後にカラーリング違いで二種が控えているが、Flyやその他のスロットに比べて格段に大きいケースが専用の段ボールに入ってやって来た。これよりさらに大きい段ボールにはいっていたショップの梱包からみてもいかに「貴重」なモデルかが伺い知れる。ベースメントには贅沢にもモデルネームとメーカーエンブレムのエッチングプレートが。全体のまとまり感は333SPに比べて格段に高い。333SPがいかにも「走る」模型然としていたのに比べ、黙っていれば一般的なスケールモデルと見まがうほどだ。リヤタイヤ直前のボディの絞り込まれた感じやフロントのタイヤハウスとのクリアランスなどかなり納得のいく仕上がりだ。ランニングコンポーネントはSlot.itのパーツでかためられている。主なスペックは以下。
・V12/2 26000rpm@12vモーター
・9Tブラスピニオンx28Tアルミスパー
  サイドワインダー駆動
・ レジンインサートアルミ削り出しホイル
まずはフロントまわり。クリアの厚みも必要十分でデカールとの馴染みもいい。気になるのはライトカバーの透明樹脂が完全に硬化していないのか触るとかすかにべたつく。一般的に透明樹脂は完全硬化に時間がかかるのでいずれ問題なくなるだろうが、惚れ惚れして触り過ぎないように注意が必要。ラジエターのエッチングは比較的単調なパターン。ワイパー基部のカバー、フェンダーが映り込んでいるミラーに注目。

さりげないがスケール感アップにかなりの効果を上げているのが細々としたエッチング及びメタルパーツ。ゼッケンの夜間認識灯やフーエルリッド、サイドウィンドウまわり、見逃しそうだがリヤカウルの把っ手(?)などなど。リベットの「ヌケ」も良い。各部のスリットには完全なブラックのスミ入れがしてあるが少し多めであふれている部分もあり。このモデルだけの問題と思われるが左サイドのゼッケンデカールのフィットが少し悪い。ウィンドウシールドはバックフォーム製だが少しひずみあり。
ホイルは前後Slot.itのアルミのアウターにエッチングのディスクプレート+青い部分からスポークまで一体のレジン製のインサート+エッチングのノックオフ、センターキャップという構成。タイヤのショルダーの形も十分で雰囲気は抜群。
さて分解。矢印の四点でタッピング固定。ボディ側のポストも当然レジン製だから頻繁に分解してるとそろうち効かなくなるだろう。締め過ぎに注意。メインシャシーはレジン製。ガイドまわりの剛性に少し不安が残る。そこにSlot.itのサイドワインダーシャシとコックピットが載る構成。ガイド及びシリコンコードもSlot.it。マグ位置は三か所から選べるが標準ではモーター直前。
リヤ周り。タイヤはリリース前にはSlot.itのP2スリックタイヤというアナウンスだったがFlyクラシック風のトレッドパターンのゴム。真円度は合格点。コンパウンドは柔らかくはないが比較的もろいのか、走行後は削りカスが結構ボディ下部に見られる。モーターは軸を中心に多少前後にスイングする。Audiのインラインマウントもそうだったがもう少しきっちり固定できないものか。

フロント周り。Slot.itのガイドブラシ。左フロントタイヤにトレッド方向の整形時のゆがみが見られる。真円度はこちらも合格点。フロントアクスルは左右一体のSlot.itだが一般的な仕様と違ってマウントは縦穴になっていないので上下にスイングしない。このあたりはオフトラック時の対鑑賞性を考えてのことだろうか。それならなんとスバラシイ。

モーター軸はタイヤにぎりぎり触るか触らないか、というクリアランス。切断した方が良さそうだがタイヤにアタリがつく程度まで走り込めば擦らなくなる。写っていないが例のセルフジンバルブッシングとサイドワインダーで回転は極めてスムース。
ダッシュボードはボディ側についてくる。ステアリングはレジンにエッチング製のスポーク。センターのエンブレムの「プランシングホース」もはっきり認識できるだけでなく恐らく透明樹脂が一滴落としてあるのだろう、ホーンボタン然としている。各メーターは一枚のデカールで表現。シートベルトにもはっきりと「Britax」と読み取れる。ちなみにデカールもRacer製。バックル、シフトゲートにもエッチング。難点は「子供おやじ」然としたフィギュアのフォルムだけか。驚きはシートのファブリックのモールド(←)

さて、走りに関して。レジンボディのある程度の重量からか、たとえV12/2モーターとはいえAudiのような走りを期待してはいけない。というよりもこの重量がどっしりと安定した走りに良い方向に働いていると思う。V12/2に9Tx28Tのレシオだから標準のAudiと同じく全体的なトルク感に欠けるがこれがかえってマイルドな味付けに貢献しているようだ。ブラックボディのAudiに搭載のV12/2b(単体の市販はないらしい)はトルクタイプらしいのでこれに交換すればもう少しピックアップがキビキビしてくるだろう。印象的なのはいろんな意味でのその全体的なバランスの良さ。トップスピードは速いがコーナーではすぐスロットからポップオフするというようなピーキーな特性ではなく、加速、コーナリング、スライドのコントロール性などどのポイントにおいても余裕を持ってコントロールできる。決して操縦が簡単ということではなく挙動を十分に楽しめることができるということだ。これには踏んばりが効く振れ角の大きいSlot.itのガイドとやはり全体の重量が効いているようだ。振れ角の様子については下のビデオを参照されたい。安定した挙動とそこそこキレイに流れてくれるスライドとほぼ完璧なスケールボディとが醸し出す雰囲気はFlyその他のどのモデルの追随をもゆるさないだろう。角度によってはホイルのノックオフがキラリと光る瞬間などはまさに感動モノだ。ボディのスケール感は抜群だが走りは模型っぽいモデルが多い中で走りの雰囲気までスケール感が感じられるというのがこのモデルの特徴だろうか。丁寧に作り込まれたボディが発する一種のオーラのようなものがそう感じさせているのかもしれないがいずれにせよ雰囲気は抜群だ。これにライト点灯を求めるのは贅沢だろうか?!

Ferrari 412P LM'67 4.6秒
Slot.it Audi R8C 4.1秒
Vanquish Lola T260 4.2秒
FLY Ford CAPRI 4.3秒
ScalexTric McLaren F-1 (Normal) 3.4秒


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