【1.0】 イントロダクション 凄惨を極めたアメリカ南北戦争は、4年の長きに渡って同胞相争う悲劇を生みました。しかしそれは、その後の合衆国の歴史を方向づけるものになりました。なかでも南北両軍にとり“Heartland”と呼ばれた西部戦域では幾多の重要な会戦が生起しました。 ここでの戦闘で近代的な戦い方を学んだグラントやシャーマン、トーマスといった将星により、それまで無為に多くの兵を死なせていた北軍上層部は一新され、南部を破滅に導く勝利をものにすることができたのです。  一方、南軍のテネシー軍将兵にとっても、ここでの戦闘は自分たちの故郷を守る戦いであり死物狂いの抵抗を示して、攻守ところを変え、北軍を何度も危機に追込みました。  なおこのゲームで扱う西部戦域とは、アパラチア山脈の東方で、ミシシッピイ河より西、オハイオ川より北方の地域をさします。 〔1.11〕 ゲーム概説 The Army of The Heartlandは、アメリカ南北戦争において西部戦域のテネシー軍が関わった一連の会戦を戦略作戦級で再現しようとするゲームです。本ゲームは1861年から1863年にかけて両軍が闘争を繰り広げたケンタッキー州,テネシー州,ジョージア州北部をカバーしています。そこで戦われた主要な会戦を9つのシナリオで再現し、さらにこの内戦の帰趨を決めた1863年を、丸々1年間再現するキャンペーンシナリオも用意されています。地図盤には、駒の移動その他の基準となるヘックスが掛けられています。プレイヤーは順番にゲーム手順をこなしながら、シナリオで定められた勝利条件を満たすべく、各自の戦略に従って駒を動かし戦闘を解決することで勝利を目指します。 〔1.12〕発展ルールと選択ルール  単純お手軽にプレイを楽しみたい方は、ルールの項目名の後にカッコ付きで「発展(Advanced)」「選択ルール(Optional Rule)」とあるものを無視して読み進んでください。逆に少々手間が増えても歴史的な雰囲気の再現に重きを置く方は、これらを採用してプレイしてみてください。ただしこれらの使用は、幾つかのシナリオの勝敗バランスを崩す恐れがあることに留意しておいてください。 〔1.13〕ゲームスケール   1ヘクス:約5.25マイル(8.5Km)   1ターン:約1週間(冬期は約2週間) 〔1.13〕箱の中身 全560個の駒が打ち抜きされたユニットシート2枚  86Cm×55Cmのソフトマップ2枚  55Cm×43Cmの軍編成シート2枚  28Cm×22Cmの黄色い表(地形効果表を含む)1枚  シナリオと歴史解説を含むルールブック1冊 (綴じ込みに各種チャート、テーブルが印刷されています)  6面体サイコロ2個 【2.0】 ユニット説明  ユニット(駒)には、南北両軍の指揮官と戦闘部隊とがあります。各ユニットには、戦闘部隊なら戦闘力と戦意(練度/戦意)が印刷され、指揮官には率いる部隊に及ぼす各種指揮能力が印刷されています。加えて、補助的な役割に使う各種マーカがあります。  ◆注記:実際の呼称と異なり、この戦域に登場する南軍の騎兵旅団の幾つかは、旅団と呼ぶには余りに兵馬が多く、ルール上このゲームでは師団規模としてユニット化されています。 【各種ユニットの表記例】 指揮官ユニット  表面    裏面 (活性化面) (非活性化面) 統率値(階級)  名前 管理値(AR) 戦闘修正値(BR) 機動値(MR) 戦闘ユニット  表面    裏面 (完全戦力面)(減少戦力面) ユニット規模  兵科マーク 戦闘力(CFs) 戦意値(ML) ユニット規模一覧      師団      旅団      連隊 兵科マーク一覧 歩兵 騎兵 工兵 河川砲艦と沿岸砲台ユニット 表面    裏面 (完全戦力面)(減少戦力面) ユニット種別 ヘックスサイド指定矢印 水上戦力 艦砲支援力 兵站ユニット 表面    裏面 (補給馬車)(補給廠) ユニット種別 補給ポイント 戦闘力(CFs) 戦意値(ML) 兵站ユニット一覧 補給馬車 補給廠 その他、非戦闘ユニット 表面    裏面 南軍工兵総監マーカ 汽車マーカ 浮舟橋マーカ 上陸堡マーカ 【3.0】事前に知っておくべき重要なルール概念  次に述べるのは、ルールの骨子となる重要な概念です。ルールを読むにあたり、まずこの概念を頭に入れておく事で、ルールの理解が早まるでしょう。 〔3.1〕軍編成表(Army Organization Dispiay) ほとんどの場合このゲームでは、マップ上には指揮官だけが置かれ、彼が率いる戦闘部隊は、陣営別に用意された軍編成表(AOD)において運用されます。軍編成表(AOD)では、各指揮官が率いる戦闘ユニットをひとつのグループとして管理し、指揮官ごとの能力に従って運用します。軍司令官が、その他の指揮官を従属させている場合も、この編成表に直接その指揮官らを置く事で表します。各編成ボックスでは、指揮官の管理ポイントや戦意の現在値、彼が保有する砲兵戦力、弾薬ポイントの残量を表示マーカを使って表します。また編成ボックスの他に、総合的な数値表示欄も用意され、そこでは戦費ポイントや補充ステップの残高を管理します。また予備役指揮官を置いておく場所も用意されています。このように軍編成表は、ゲームにおいて中心的な役割を果たします。各プレイヤーは自軍の編成表を、可能な限り相手に見られないようにすることで戦場の霧を再現できるよう心掛けて下さい。シナリオに登場する指揮官や戦闘ユニットは、必ずマップ上または軍編成表のいずれかに置かれます。軍編成表の詳しい使い方を、以下に述べます。なお文中では略して編成ボックスと呼ばれている場合があります。 〔3.11〕軍編成表の使い方  両軍の軍編成表には、幾つもの大きな編成ボックスが印刷されています。これらにはそれぞれ番号が付けられており、同じ番号のついたマーカ(Leader.#)に対応しています。これら編成ボックスは、戦闘ユニットを指揮する指揮官毎に使用され、その運用を助けます。  ルール上、階級が高く、幾人かの従属指揮官を従える事ができる指揮官(大抵場合、軍司令官)が使用している編成ボックス(と、それに対応するLeader.#マーカ)を「直轄部隊(Senior Command)」と呼びます。 また、他の指揮官を従える権限を持たない単独の指揮官が使用する編成ボックス(と、それに対応するLeader.#マーカ)を「野戦部隊(Field Command)」と呼びます。  具体的に言うなら、ある一人の指揮官が率いる戦闘ユニットは、いずれかの編成ボックスに「野戦部隊」として置かれ、マップ上にはその指揮官ユニットと編成ボックスに対応するLeader.#マーカだけを配置します。軍司令官の場合も、基本的には野戦部隊と同じように編成ボックスを使いますが、彼が率いる従属指揮官も戦闘ユニットのように、彼の編成ボックスに置かれます。  【訳者例示】例えば、シナリオ3:The Shiloh Campaign,1862の初期配置において、南軍のA.S.ジョンストンはテネシー軍司令官として直轄部隊を編成しており、彼の編成ボックスには彼自身が直接指揮する1個騎兵旅団の他、彼に従う2人の従属指揮官(ハーディーと彼の指揮する4個旅団、クリッテンデンと彼の指揮する3個旅団)と、それらが使う野戦部隊としての編成ボックスに対応したLeader.#マーカが置かれます。 a).編成ボックスの使い方:各編成ボックスには、正常に機能している戦闘ユニットと(もしそれが軍司令官なら)従属している従属指揮官を置いておく「正常戦闘ユニット(Combat Effective Units)欄」と、率いている指揮官の現在の戦意レベルを上回ってしまった戦意の戦闘ユニットを置いておく「戦意崩壊ユニット(Broken Units)欄」とがあります。  編成ボックスには1から14,15までの番号が振られており、対応する「Leader.#」マーカによって、どの指揮官がどの編成ボックスを使用しているか一目瞭然に分かるようになっています。各編成ボックスの下の段は数量管理欄となっており、その編成ボックスを使用する指揮官の能力(管理値、戦意レベル)を表示すると共に、その部隊が有する砲兵力、弾薬量の現在値に対応したマーカを使って表します。更に編成ボックス右上にある「状況表示欄(Status)」には、軍HQマーカを置く事でその指揮官が軍司令官(=直轄部隊)であることを表します。その他、この状況表示欄には戦時昇進マーカ、また負傷した場合には負傷度マーカを置いて、その状況を表します。 b).野戦部隊(Field Command):軍司令官ではない指揮官が使用する編成ボックス(と、それに対応するLeader.#マーカ)を「野戦部隊(Field Command)」と呼びます。彼が率いる戦闘ユニットは編成ボックスに置かれるため、地図上には指揮官とLeader.#マーカだけが置かれます。もしその野戦部隊の指揮官が、いずれかの軍司令官に従属している場合、その指揮官ユニットとLeader.#マーカは、直轄部隊の編成ボックス内に、あたかも1個の戦闘ユニットのごとく置かれます。野戦部隊の編成ボックスには、どんな兵科・種類の戦闘、兵站、工兵(南軍の場合は工兵総監)、舟橋でも置く事ができます。なお、騎兵ユニットだけを有する野戦部隊である騎兵軍団に関しては配属できる砲兵力に制限(3.12)があるので、注意してください。 c).直轄部隊(Senior Command):このゲームにおける直轄部隊とは、軍司令官の使用している編成ボックスとそれに対応する「Leader.#」マーカの事をさします。この場合、軍司令官である指揮官の編成ボックスの「状況表示欄(Status)」には、必ず軍HQマーカが置かれていなければなりません。直轄部隊の編成ボックスには軍司令官が直接率いている戦闘ユニットと、彼に従属している指揮官らを置く事ができます。野戦部隊の場合と同じく、軍司令官である指揮官ユニットは、その編成ボックスの番号に対応するLeader.#マーカと共に地図上に置かれます。通常、同じ階級の指揮官同士はスタックする事ができませんが(8.25)、軍司令官(軍HQ)と同じヘックスにいるなら、直轄部隊としての編成ボックスに彼らを移すことができます。ただし一度、軍司令官の編成ボックスに移された従属指揮官(野戦部隊)は、軍司令官がその管理ポイントを消費して分離させない限り、軍司令官の編成ボックスから地図上に戻る事はできません。 複数の軍司令官(直轄部隊)が登場する場合、例え階級が高い軍司令官が他にいようと、決して軍司令官が他の軍司令官の編成ボックスに移される事はありません。同一ヘックスにいる異なる直轄部隊同士は、マップ上にそれぞれの指揮官とLeader.#マーカを単純にスタックさせる事で同じ位置にいることを表わします。 d).編成表を使用しないユニットの制限:戦闘ユニットを率いていない指揮官ユニットは、編成表の「予備役指揮官(Leader Pool)」に置かれます。また、指揮官に率いられていない戦闘ユニットは直接マップ上に配置されます。ただし指揮官に率いられていない戦闘ユニットは、最大でも1個師団相当(4個旅団)までしか、単一のヘクスに存在できません。これら地図上に単独でいる戦闘ユニットに対しプレイヤーは、自軍の戦費ポイントを消費して、現在予備役にある指揮官を1人、指揮官プールから無作為に引いて、そこに新たな野戦部隊を編成することができます〔14.64〕。 〔3.12〕騎兵軍団  完全に騎兵戦闘ユニットのみで構成されている野戦部隊を、騎兵軍団と呼びます。編成表には騎兵軍団専用の編成ボックスというものは用意されていないので、いずれかの編成ボックスを選び、その状況表示欄(Status)に「騎兵軍団マーカ」を置く事で表します。両軍ともゲーム中に、それぞれ2個までしか騎兵軍団を編成することができません。騎兵軍団は長距離偵察や隠蔽移動など各種特典(16.12)が与えられている反面、2砲兵力までしか持つことができません。 〔3.13〕部隊編成の制限  各プレイヤーは、シナリオ初期配置時点での上級および野戦部隊の数の2倍を越えてゲーム中に野戦部隊を編成することはできません。またそれぞれの軍の編成ボックス(北軍14、南軍15)以上の部隊を作る事もできません。またゲーム中に新たに作る事ができるのは野戦部隊だけです(ゲーム中に新たな軍の創設はありえません)。なお既にあった上級/野戦部隊が消滅した場合には、再び作り直すことが認められます。ただしプレイヤーは、初期配置時にいた自軍指揮官の2倍を越える人数の指揮官を、地図上に登場させることはできません。 〔3.14〕状況表示欄(Status) 各編成ボックスの右上には状況表示欄があり、特別な状態にある場合、そこに各種マーカを置く事でそれを表わします。そこに置かれる各種マーカとは、指揮官の負傷状態,戦時昇進による階級,それが直轄部隊である事を表す軍HQ,幕僚長職(3.32)にある指揮官、騎兵軍団マーカなどです。 〔3.15〕予備指揮官プール(Leader Pool)  両軍の編成表の隅には予備指揮官プール(Leader Pool)があり、シナリオ開始時に指定された指揮官をそこに置いておきます。ゲーム中、既に地図上にある指揮官が、死傷または捕虜となった場合、プレイヤーはいつでも、予備プールにある指揮官によって、それらの指揮官が率いていた部隊の指揮を執らせることができます。ゲーム中に登場させることのできる予備指揮官は、シナリオに登場している者だけです。 〔3.16〕数値表示欄(The Number Track)  編成表には0から999までの数値表示欄が付いています。これを使って、戦費ポイント(War Effort Points:WEP)、補充ステップ、獲得した勝利得点の現在値を表します。 〔3.17〕北軍揚陸作戦進捗表(The Union Naval Assault Display)  北軍編成表の右下隅にのみ揚陸作戦進捗表が付いています。河川を利用して上陸を企む河川砲艦と戦闘ユニットは、実際に上陸するまでこの進捗表上で過ごします。 〔3.2〕指揮官  このゲームにおいて戦闘部隊がその真価を発揮できるのは、ひとえにそれを率いる指揮官の能力次第です。指揮官の各能力は、その指揮官ユニットに直接印刷されています。 〔3.21〕指揮官ユニットの概要  各指揮官ユニットは、肖像画が描かれている表面を活性化面、その裏側で減少能力値と名前だけが書かれている面を非活性化面と呼びます。指揮官ユニットに表示されている星印は指揮官の階級を表わしています。またユニット下部に表示されている数値は、左から管理値(AR),戦闘修正値(BR),機動値(MR)を表わします。非活性化サイドでは、各能力値が活性化サイドよりも減少しています。 〔3.22〕 指揮官の階級  各指揮官の星の数(1〜4)が階級を表わしています。もし同一ヘクスに複数の指揮官がスタックしている場合、より先任(星の数が多い)の指揮官が、そのヘクスの指揮官を全て指揮することになります。このような先任指揮官をルール上「司令官(Overall Commander:OC)」と呼びます。この場合、司令官以外の指揮官は「従属指揮官(Subordinate Leaders:SLs)」とみなされます。  1ヘクスにつき1人の指揮官のみが司令官になることができます。従属指揮官の数には制限はありません。そのヘクスに指揮官が1人しかいない場合、当然その指揮官を司令官とみなします。  あるヘクスにおいて誰が司令官であるかを判定する場合、戦時昇進で増えた星の数(14.51)より、ユニット固有の星の数の方が優先されます。 ・訳註:軍HQとスタックしている軍司令官と、単にスタック内で最も階級の高い指揮官を司令官と呼び慣わす事に注意してください。ルール上、あるヘクスに単独でいる指揮官も便宜上(そのヘクスにいる最も高い階級の指揮官という意味で)「司令官」と呼ばれる場合があります。 【例外】また星の数に関わらず現在軍司令官の任にある指揮官は、地図上に存在するその他の軍司令官を除く全ての自軍指揮官を従属させる権限を持ちます。 ◆例示:固有の3つ星を持つ指揮官が現在、軍司令官として直轄部隊を編成しているなら、そのヘックスにいる2つ星指揮官と、戦時昇進で3つ星階級マーカを持つ指揮官は全て従属指揮官と見なされます。 a).このゲームでは、固有にしろ戦時昇進にしろ同数の星を持つ(同階級)指揮官同士はスタックできません(例え彼らより階級の高い指揮官がスタックしていたとしても)。 唯一軍司令官(軍HQ)がそのヘックスにいる場合に限り、それらはスタックすることが許されます。 〔3.23〕星と率いる戦闘ユニット数  各指揮官は、自身が持つ星(固有または戦時昇進)の数プラス1個までの歩兵師団(南軍の場合4個旅団で1個師団に相当)を率いる(スタックさせる)事ができます。このとき騎兵ユニット,北軍工兵旅団,分遣連隊,補給馬車,補給廠(Depot)、汽車および各種マーカは、これらスタック数には数えません。  【例示】北軍の2つ星指揮官は、編成ボックスに自身の野戦部隊として、北軍3個歩兵師団までと、騎兵師団や補給馬車をいくつでも率いることができます。これが南軍の2つ星指揮官であれば、自軍の12個歩兵旅団まで率いることができます。 a).軍司令官(直轄部隊)の場合も、直接率いることのできる戦闘ユニットの数は、自身の星の数+1までです。ただし、軍司令官が従属させることのできる従属指揮官の数には制限がないので、実質的には従属させた従属指揮官の率いる戦闘ユニットは全て軍司令官の持つ戦力と考えることができます。 b).基本的に、全ての戦闘ユニットは、いずれかの指揮官に率いられていなければなりません。原則として、指揮官ユニットによって率いられていない戦闘ユニットは、1ヘックスにつき1個歩兵師団(南軍の場合、4個歩兵旅団)までしか地図上に存在できません。また、もしシナリオ初期配置の段階で既に、または何らかのアクシデントにより、この制限を超過している場合、可及的速やかに戦時昇進(14.51を行ない、星を増やすことによってでも制限内に納めるよう務めなければなりません。 c).あるヘックスに複数の指揮官が存在するケースには二通りあります。それは一人の司令官と複数の従属指揮官がスタックしている場合と、軍司令官が複数の従属指揮官を自身の編成ボックスに納めている場合です。 〔3.24〕指揮官と管理値(AR)  指揮官ユニットの下部に印刷されている3つの能力値の内、一番左側の数値は「管理値(AR)」を表しています。この管理値は、その指揮官が1ターンの間に使用できる管理ポイント数(APs)を表わします。この管理ポイントは、1ターンの間に発令できる命令数に関係してきます。言い換えるなら、ある1回の活動インパルスに全て使ってしまうことや、複数のインパルスに渡って少しずつ使うこと、または最後の再編成セグメントの為に残しておくなど、ゲーム中の部隊運用に欠かすことができない能力と言えます。複数の指揮官が同一ヘックスにスタックしている場合、そのヘックス全体で使える管理ポイントは、単純に考えるとそれら指揮官の持つ管理ポイントの合計ですが、原則として(司令官が従属指揮官に命令を下す場合以外)ポイントの使用は、あくまでその行動を実際に行なう指揮官自身が消費しなければなりません。通常、ひとつの命令につき管理ポイントを1ポイント必要とします。原則として指揮官は、同一ヘクスに対してのみ(指揮範囲が0となった軍司令官の場合も)管理ポイントを消費することができます。  ◆例外:軍司令官(軍HQを持つ指揮官)の場合は、通常その指揮官の機動値(MR)がそのまま指揮範囲(命令を与える事のできるヘックス数)と見なされます。 a. 各指揮官は、自軍のインパルス中及び再編成セグメントの間に命令を出すことができます。相手側のインパルス中に発令できるのは、リアクション及び、継続戦闘の時だけです。 ●それぞれのインパルス中に、命令できる行動と管理ポイントの必要量は以下の通りです。 1) 従属指揮官または戦闘ユニットを、編成ボックス/同一ヘックスから    分離、または編成ボックス/同一ヘックスへ配属(各1AP) 2) 分遣連隊の抽出(1AP) 3) 攻撃の宣言(1AP) 4) 北軍上陸堡の鹵獲による南軍戦費ポイント取得(1AP)    ◆再編成セグメントに、命令できる行動と管理ポイントの必要量は以下の通りです。       1) 分遣連隊の創設(1AP)   2) 補充ステップ/募兵ステップの使用(各1AP)   3) 弾薬ポイントの受入れ(各1AP)   4) 町、橋、上陸堡の破壊(各1AP)   5) 徴発(1AP)   6) 塹壕構築(1AP)   7) 戦意高揚訓練(1AP) b.司令官は、彼に従属している指揮官が本来支払うべき管理ポイント、または使用すべき機動値を、肩代わりしてやる事ができます。  【例示】あるヘックスにスタックしている指揮官のなかから、一人の指揮官(と彼の率いる戦闘ユニット)が、そのヘックスを離れて移動するとします。この場合、そのヘックスの司令官が、分離の為の命令(1管理ポイント消費)を出すことができます。さらに分離した指揮官の移動力判定に際、基準となる機動値が低いと思ったなら、代わりに司令官の機動値を使用(移動命令:1管理ポイント消費)して、彼の移動力を決定することができます。これらは別々の命令なので、司令官は計2管理ポイントを支払う必要があります。  軍司令官の場合、自身の機動値と等しいヘックス(指揮範囲)内にいる自軍指揮官に対し、軍司令官自身の管理ポイントを消費して、これらの命令を与えることができます。 〔3.25〕指揮官と戦闘  指揮官ユニットの下部に印刷されている3つの能力値の内、中央の数値は「戦闘修正値(BR)」を表わしています。司令官の戦闘修正値は、射撃戦闘結果表(FERT)で直接ダイス修正となります。これはファイア・パワー方式でお互いに相手に与えた損害を求める際、各自が振るサイの目に、自軍の司令官(従属指揮官の能力は使用しない)の戦闘修正値を加える事を意味します。 a). 戦闘を解決する際、その時の両軍の司令官の戦意レベル(ML)を比較します。相手に比べて戦意レベルが高い側は、射撃戦闘結果表で有利な右1コラムシフトを得ることができます。 b).単独で存在する(どの指揮官にも率いられていない)戦闘ユニットであっても、攻撃・防御を行なうことができます。 〔3.26〕 指揮官と移動  指揮官ユニットの下部に印刷されている3つの能力値の内、最も右側の数値は「機動値(MR)」を表わしています。原則として全ての戦闘ユニットは、指揮官によって率いられていなければ移動を行なえません。部隊を移動させる場合、指揮官の機動値を基準として“移動力判定表(Initiative Movement Chart)”で移動力を決定します。 a).指揮官の機動値に等しい距離(リアクション可能範囲)で、他の自軍部隊が攻撃に晒された場合、リアクション移動命令を出してサイコロを振り、自身の機動値以下の目を出せば、その部隊を防御ヘックスまでリアクション移動させることができます(リアクション移動の細則については、リアクションルール(9.1)を参照)。 3.3 軍司令部(HQs)  軍HQマーカを持つ指揮官は軍司令官と見なされ、彼が使用する編成ボックスは直轄部隊と見なされます。軍HQマーカを持つ事は、部隊統率において絶大な力を発揮します。 〔3.31〕軍HQマーカ  3つ星または4つ星を有する指揮官だけが(この星の数は固有のものでも、戦時昇進によるものでも構いません)、軍司令官とすることができます。軍司令官となった指揮官の編成ボックスにある状況表示欄には、それを示すために軍HQマーカが置かれます。以下で軍司令官という場合、必ず軍HQを持っていることが前提となります。 a).軍司令官が存在するヘクスでは、階級が同じ指揮官同士をスタックさせる事ができます。軍司令官は、自身の機動値(MR)と等しいヘックス数(指揮範囲内)にいる自軍指揮官に対し、自身の管理ポイントを消費して命令を与える事ができます。同じように(軍司令官が管理ポイントを1消費して)指揮範囲内の指揮官に対して、自身の機動値を基準として、移動を行なわせる事ができます。これら軍司令官の指揮範囲(へックス数)は、地形その他の影響を一切受けません。 b).軍司令官は、通常の命令の他に以下の命令を、指揮範囲内の指揮官に与える事ができます。 1)非活性化状態にある指揮官を活性化させる(各1AP) 2)自身を含むいずれかの指揮官の、補充および更迭(各1AP) 3)工兵の活性化(1AP) 4)自身および配下の野戦部隊へ新たな砲兵力を与える(2AP) c).シナリオによっては、一方の側に2人以上の軍司令官が登場する場合があります。この場合、軍司令官以外の全ての指揮官は、どの軍司令官に対しても従属関係にあり、どの軍司令官からの命令でも実行することができます。 〔3.32〕幕僚長 Chiefs of Staff(COS):  軍レベルの指揮統帥ともなると、幕僚長(COS)を就けて、軍司令官の管理ポイント増加を図る必要があるかもしれません。各シナリオにおいてプレイヤーが望むなら、幕僚長を任命することができます。幕僚長に任命できるのは「2つ星」以上の階級をもつ、地図上または予備指揮官プールにいる指揮官です。幕僚長の任命は管理シークエンスに行なえ、緊急処置としての戦費の消費(3.4参照)に加え、幕僚長を求める軍司令官の管理ポイントを1消費しなければなりません(10WEP+1AP)。幕僚長に任命された指揮官は、直ちに軍司令官の状況表示欄に置かれ、軍HQと常に行動を共にしているとみなされます。幕僚長を置く利点は、軍司令官の管理ポイントに幕僚長の管理ポイントを加えられる点で、これにより軍の運営能力が大幅に改善されます。この場合、幕僚長を擁する軍司令官は、増加した管理ポイントを軍司令官自身のものとして自由に使用することができます。 a).幕僚長の任にある指揮官は、管理ポイントを増加させる以外の指揮官としての指揮能力を持たず、よって直接部隊を指揮することはできません(次のb項に例外あり)。 b).いずれかのインパルスにおいて、もし幕僚長を有する軍司令官が死傷した場合、残りのインパルスにおいて臨時に幕僚長が軍の指揮を執ることができます。もし階級が低くて軍司令官の任に堪えないなら、直ちに1戦費を支払い、幕僚長を戦時昇進(Brevet:14.51参照)させる事ができます。そして管理シークエンスにおいて、新たに軍司令官を任命するか、そのままその幕僚長に軍の指揮を執らせるかを選択できます。もし新たな軍司令官が着任した場合、臨時に軍の指揮を執っていた幕僚長は再び幕僚長職に戻ります(軍司令官になる為に戦時昇進させたなら元の階級に戻します)。もし元幕僚長がそのまま軍司令官を続ける事にした場合、緊急処置としての戦費の消費(3.4参照)と、軍司令官の管理ポイントを1消費することで(10WEP+1AP)、新たに幕僚長を任命してその補佐にあたらせることもできます。もしも軍司令官と幕僚長の両方が同時に戦死した場合、指揮官着任〔14.61〕ルールに従って直ちに指揮の引き継ぎを行わなければなりません。 c.)1861年と1862年の全シナリオにおいては、幕僚長によって増加させる事のできる管理ポイントが1減少します。これは近代的な幕僚の職務が未だ試行錯誤の段階にあった事を表します。 〔3.4〕緊急処置 War Department Orders  ゲーム中、動きの鈍い指揮官に愛想を尽かした時や、戦闘に巻き込まれて指揮官を失った時に、戦費を消費して指揮官を交代させる事ができます。 〔3.41〕緊急処置のやり方  以下の現象が生起した場合、任意で緊急処置を施せます。 1).活動インパルス中、既に非活性化状態にある指揮官を活性化させる場合。 2).活動インパルス中、新たに指揮官を任命する場合(再編成セグメントにおける管理シークエンスでは緊急処置なしで指揮官の更迭・任命が行なえます)。特に指揮官が戦死した場合、そのインパルスがそのターンの最後のインパルスでなければ、再編成セグメントが始まる前に、必ず緊急処置を施して、その部隊に新たな指揮官を着任させなければなりません。 3).ある指揮官を新たに軍司令官または幕僚長に任命する場合。 4).管理シークエンスにおいて、補給線の届かない孤立状態にある指揮官を、またはこの方法以外に取り除く術のない指揮官を地図上から取り除きたい場合。 a).緊急処置は1回につき、10戦費ポイント(10WEP)を必要とします。原則として1ターンに1回までしか緊急処置は行えません。ただし指揮官の戦死に伴う新たな指揮官着任だけは、それが起こる度に緊急処置を施します。 〔3.5〕戦意 Morale  戦意レベル(MLs)は、士気の高さだけでなく練度の高さや忍耐強さなど精神的な面での相対的評価を表しています。高い戦意を有する指揮官は、他より多くの移動力を期待でき、戦闘においても有利な修正を得られます。反対に、率いている戦闘ユニットの戦意より、その指揮官の戦意が低いと、その戦闘ユニットは士気沮喪していると見なされ、射撃戦闘結果表(FERT)で不利な修正が適用されます。 〔3.51〕指揮官の戦意 指揮官のMLは編成ボックス上で表示します。戦意マーカを、各編成ボックス下部の数値表に配置し、その部隊を率いる指揮官の戦意を表示します(指揮官の戦意レベルには、最低“0”から最高“9”まであります)。指揮官の場合、戦意レベルは高いほど優れています。 a).基準となる戦意レベルを調べる際、そのヘックスに複数の指揮官がいるなら、司令官の戦意だけが対象とされます(従属指揮官の戦意は無視します)。 〔3.52〕ユニットの戦意  多くのユニット(歩兵、騎兵、補給馬車、補給廠、分遣連隊、北軍工兵旅団、浮舟橋)には、固有の戦意が印刷されています。ユニットの戦意値には0から6まであります(0が最高のレベルを表します)。これらのユニットが、いずれかの指揮官によって率いられている場合、ユニット固有の戦意値を、その指揮官の戦意レベルと単純に比較します。指揮官とは逆にこれら個々のユニットの戦意値は低いほど優れているのに注意して下さい(例示参照)。 a.いずれかの指揮官の編成ボックスに置かれた、戦闘ユニットの状態は、ユニットに印刷された戦意と指揮官の戦意を比較することにより判定します。戦闘ユニットの戦意値が、それを率いる指揮官の戦意よりも大きい場合、そのユニットは「崩壊状態」と見なされ、編成ボックスの「崩壊部隊欄」に移されます。 【例示】北軍のとある指揮官の戦意が現在“1”として、彼が2個歩兵師団(16-0、12-2)を率いていたとします。これら歩兵師団は、それぞれ戦力16-戦意値0、戦力12-戦意値2を有しています。この場合、指揮官の戦意が“1”なので、12-2歩兵師団は、指揮官の戦意1を上回る戦意値2として、戦意崩壊部隊と見なされ、編成ボックス上の「崩壊部隊欄」に移されます。 b.もし戦闘ユニットが、いずれの指揮官にも率いられていない状態で盤上に置かれ、そのまま戦闘に参加する場合、戦意レベルの優劣判定(戦闘に有利な修正を得る為:10.31参照)の方法として、その戦闘ユニットに印刷された戦意値を逆(0→6、1→5、2→4)にして、相手の指揮官の戦意レベルと比較し、優劣を判定します。  この様な戦闘ユニットが、攻撃実施判定または戦闘結果の戦意チェックを実施する場合、サイコロを1個振り、出目が自身の戦意値を逆転させた数値よりも小さい場合のみ、それらのチェックに成功したとみなされます。 【例示】あるヘックスに、指揮官に率いられていない、戦意値0を持つ戦闘ユニットと戦意値1を持つ戦闘ユニットがスタックしています。これらが戦意チェックを要求された場合、戦意値0のユニットは数値を逆にして戦意レベル“6”と見なされ、同様に戦意値1のユニットは戦意レベル“5”と見なされます。それぞれサイを振って、上記で求めた自身の戦意レベルを下回る目を出す事ができれば、戦意チェックに成功します。 〔3.53〕戦意レベルの変更  各戦闘ユニットに印刷された戦意値は(完全戦力面と減少戦力面とで異なるが)固有のものであり、状況によって変動はしません。  対して、各指揮官の戦意レベルは、個々のシナリオ配置の段階で決められていますが、以下によって更に戦意高揚したり、逆に戦意低下したりします。 1).ある戦闘で、相手により多くのステップロス損害を与えた部隊に含まれる全指揮官(司令官と従属指揮官の両方)の戦意レベルは、直ちに1レベル上昇します。 2).どの指揮官も、訓練(14.52)によって自身の戦意レベルを増加させられます。 3). 以下の状況が生起する度に、司令官(のみ)の戦意レベルは、1レベル低下します。  a).司令官が、攻撃参加チェックに失敗した。  b).司令官が、戦闘前退却を行なった。  c).司令官が、戦闘結果によって退却した。  d).司令官が、敵ZOCを通って退却した。  e).司令官が、戦闘結果で求められた戦意チェックに失敗した。 4). 全ての指揮官の戦意は、厳しい天候により低下する事があります。 〔3.54〕指揮官の自主的戦意低下  各インパルスに於て司令官(のみ)は、自身の戦意を自らの意志で低下させる事によって、ある種の活動に利益を得ることができます。 1).戦意を下げてでも移動力を増やす場合:司令官は自主的に自身の戦意を1低下させる事により、移動力決定時および、強行軍チェック表のサイの目から−1することができます。この場合、1レベルの戦意低下と引き換えに、移動力決定表と強行軍チェック表の両方(同時)で、−1DRMを得る事ができます。 b.戦意を下げてでも退却を拒否する場合:戦闘結果で退却を求められた場合、その戦闘に参加したいずれかの司令官の戦意を、1レベル低下させることによって、1ヘックス分の退却を無効にする事ができます。ただし無効にできるのは最大1ヘックスまでで、1ヘックスを越える分の退却ヘックス数は、実際に退却して満たさなければなりません。 c.戦意を下げてでも兵らの消耗を軽減する場合:司令官は、自主的に自身の戦意を1低下させる事により、消耗表で消耗ステップを判定するサイの目から−1する事ができます。 〔3.55〕司令官の重責と従属指揮官の気楽さ  あるヘックスに司令官と従属指揮官がいる場合、悪天候と戦闘での勝利を除き、個々の従属指揮官の戦意レベルが変動することはありません。あくまでそのヘックスの全部隊に責任を持つ司令官の戦意レベルだけが戦意変動の対象とされます。  従属指揮官の戦意は、司令官による戦闘参加チェックの失敗、各種退却、戦意チェックの失敗、自主的戦意低下によって影響を受けることはありません。 ◆訳者注:史実においても、戦意の低い軍司令官の下には、闘志溢れる軍団長(従属指揮官)が常に複数おり、彼らは口々に軍司令官の弱腰を批判していましたが、いざ彼らが軍司令官になってみると、その重責に耐えられず、自ら戦意の低さを露呈する羽目になりました。  例えば1862年春の半島戦役において、北軍司令官のマクレランは何度も退却して戦意が下がりっ放しでしたが、彼が留守にしていた戦場<マルヴァン・ヒル>(代わりにそれまで従属指揮官として高い戦意を温存してきた軍団長が采配を振るった)では、攻め寄せてきた南軍を散々に撃ち破ることができました。 〔3.6〕支配地域(ZOC)  (分遣連隊,補給廠(Depot),無人の塹壕を除く)固有の戦闘力を有する全てのユニットは、自身が占めるヘクスとそれに隣接する周囲6ヘクスに、支配地域(ZOC)を及ぼすことができます。有人状態にある塹壕ユニット(14.83)は、例えその塹壕を物理的に自軍ユニットが占めていなくとも、塹壕自体の固有戦力を発揮してZOCを周囲に及ぼします。 〔3.61〕支配地域の効果  もしユニットが移動中に敵ZOCに進入したなら、移動はそこで終了します。そしてそのヘックスにZOCを及ぼしているいずれかの敵スタック(最低でも1つ)に対し、必ず攻撃を宣言し、攻撃参加チェックを行なわなければなりません。 【例外】騎兵偵察を行なうために、敵ZOCに侵入した騎兵には攻撃の義務はありません。  敵ZOCに進入したユニットが、そこから離脱できるのは、あるインパルスにおける、そのユニットの移動開始時、または攻撃参加チェックに失敗した場合(この場合は直ちに退却)、戦闘前退却を行なう場合、または戦闘結果で退却を求められた場合だけです。  非活性化状態にある司令官の部隊は、移動の際、任意で敵ZOCに入ることができません。  退却を除き、任意の移動によるZOC to ZOCは禁止されています。  ZOCは、大河川(たとえ橋や浅瀬があっても)および完全海ヘクスサイド越しには及びません。  補給線(LOS)は、敵ZOCを通過することができません。ただしそのヘクスに自軍ユニットがいる場合、補給線を通す目的において敵ZOCの効果を打ち消します。 〔3.7〕戦場の霧 〔3.71〕戦場の霧の原則  原則としてプレイヤーは、相手側が地図上に置いたスタックの内容を調べてはいけません。大抵の場合、スタックの一番上には司令官のユニットが置かれ、その下に何がいるのか分からないようになっているはずです。同様に、相手側の騎兵スクリーンと、塹壕マーカの下にいるスタックも調査できません。またプレイヤーは、相手側の軍編成表を覗いてはいけません。厳正中立を誓う第三者(観戦者)のみが、両軍の軍編成表を見比べる事が許されます。 〔3.72〕戦場の濃霧(選択ルール)  事前に両者の合意が得られたなら、戦場の霧を更に濃くする事ができます。 1)部隊の戦力は、戦闘の解決時にのみ相手に明らかにします。 2)自軍の振った消耗判定のサイの目を、相手に秘匿する事ができます。 3)指揮官の負傷マーカと、戦時昇進(階級)マーカを軍編成表に配置して、相手に教えないでおくことができます。 4)実施した河川輸送、浮舟橋設置、新たな汽車、北軍工兵旅団新設は、再編成セグメントにのみ相手に伝えればよくなります。 【4.0】 ゲームの手順  実際のプレイは、各ターン中に両プレイヤーが各種の活動を行ないながら進めていきます。両プレイヤーは、各ターンの「活動インパルス」中に自分の部隊を移動させ、敵部隊との交戦を行ないます。各ターンに実施できる活動インパルス数は、固定されておらず、常に変化する可能性があります。実際のインパルス数は、各ターンの始めに両プレイヤー間で行なわれるビッド(競り)の結果と、それに伴う「作戦レベル(Operations Effort)」の使用によって決定されます。作戦レベルとは、それぞれの軍における総合的な戦争遂行能力を表わします。各軍が使用する事のできる作戦レベルの最大値は、シナリオ毎に規定されています。  各活動インパルスに、移動を望むそれぞれの指揮官が得られる実際の移動力の判定には、そのインパルスに投じられた作戦レベルの数値が基準となります。各指揮官(と、それに率いられる戦闘ユニット)は、移動して敵に隣接し、その時点で攻撃参加チェックを行ない、実際に攻撃できるかどうか判定していきます。  両プレイヤーは、陣営毎に与えられた作戦レベルを使用し尽くすまで、交互に活動インパルスを実施していきます。活動インパルスが終了すると、続いて再編成セグメントとなります。再編成セグメントが終了したら、ターン表示欄のターンマーカを次のターンに移します。 【訳者例示】例えば、シナリオ3:The Shiloh Campaign,1862の設定によると南軍の作戦レベルの最大値は「5」、北軍は「4」です。この場合、南軍がビッドで5を出せば、文句なしに先制権を得られ(その代わり先攻権獲得の為の5戦費ポイントを支払)、先攻できるその活動インパルスでは「移動力判定表(Initiative Movement Chart:IMC)」において「作戦レベル5」の欄で、それぞれの移動力を求めることができます。移動力表の最大レベルが6なので、5という欄は相当に高く、指揮官の機動能力が優れていれば出目によっては最大で30移動力を得る事ができるかもしれません。ただし南軍に与えられた作戦レベルの全てを投じた為、このターンの活動インパルスはこれ1回限りとなります。対して北軍は、南軍に先攻権を奪われた為、ビッドに出した作戦レベルはご破算とされ、南軍の活動インパルスの後で任意の作戦レベルを割り振って、最大2回まで(相手が1回の活動インパルスに全ての作戦レベルを使用した場合)活動インパルスを設定することができます。例えば、2レベルずつ2回インパルスを行なう事もできますし、3レベル使って1回の活動インパルスに得られる移動力を大きくして戦略移動を行ない、残り1レベルで2回目の活動インパルスを作り、そこで敵に隣接、攻撃を行なうなど、後攻ながら柔軟な作戦を行なうことができるのです。ただし自軍インパルス毎に活性化指揮官の人数分だけ戦費ポイントを給料として支払わなければならないので、インパルスを細分化してキメ細かな運用を行なおうとすれば、それだけ出費も高くつくことになります(Shiloh Campaign開始時に北軍は8人の指揮官を有しており、単純にみても2回インパルスを行なえば、8人×2回で16戦費ポイントを支払う計算になります。全9ターンのシナリオで、開始時245戦費ポイントを有している北軍ですから、それが高いか安いかは考え方次第となります)。 〔4.1〕先攻決定セグメント  プレイヤーは先攻権を得る為、各ターンの最初の活動インパルスに、いくつ作戦レベルを注ぎ込むかを決定(ビッド)します。この判定に利用する為、両軍にはそれぞれ自陣営の旗印(星条旗と星棒旗)の付いたビッドマーカが用意されています。各ビットマーカの裏面には、ビッドするレベル数が印刷されており、ビッドする際には相手に分からないよう伏せて場に出します。各プレイヤーがビッドできるレベルは、「パス(bid 0)」から、そのシナリオで決められた自軍の最大レベル数までです。  より多くの作戦レベルをビッドしたプレイヤーが、そのターン最初の活動インパルスをプレイする権利を得ます。ただしこの場合、相手に先んじて動く代償として、5ポイントの戦費ポイント(WEP)を支払わなければなりません。  もし両プレイヤーが、同数の作戦レベルをビッドした場合、再びビッドを行なって決着を付けます。しかし3度ビッドを実施しても決着がつかなければ、その時点で より多くの戦費ポイント(WEP)を保有しているプレイヤーが、最初に活動インパルスをプレイします。しかしこの場合、相手に先んじて動く為の戦費ポイントは2倍に高騰して、10ポイント支払わなければなりません。  この様にして、イニシアチブ(活動インパルス先制権)を得たプレイヤーが、そのターンの天候をサイコロを振って決めます。 〔4.2〕活動インパルス  活動インパルスにおいてプレイヤーは、自軍全部隊の移動・戦闘を実施していきます。各プレイヤーは、どちらが先に活動インパルスを行なうか決めた後、交互に活動インパルスを実行していきます。最初のビッドで先制権を得た場合以外は、それぞれのインパルス開始時において残りの作戦レベルの内、どれだけを使用するか任意で決定していきます。 ◆訳者注:最初にインパルスをプレイする先攻プレイヤーは、必ず先攻決定セグメントでビッドしただけの作戦レベルを使用しなければなりません。  各ターンにおける、それぞれの活動インパルスは、補給シークエンス(ここで盤上の全部隊について補給状態を判定します)、移動シークエンス(移動と攻撃参加チェックを実行)、戦闘準備シークエンス、戦闘シークエンス、戦費シークエンスの順で構成されています。 〔4.21〕手番側補給シークエンス  この補給シークエンスにおいて手番プレイヤーは、盤上にある自軍の全ユニットについて補給状態を判定しなければなりません。各部隊の補給状態には、完全補給状態,戦闘補給状態,補給切れ状態の3種類があります。判定された補給状態は、そのインパルスを通して有効です。また各ターン最初の活動インパルス(先攻者)の補給シークエンスにおいて、南軍プレイヤー(のみ)は、増援を盤上に登場させることができます。 〔4.22〕移動シークエンス  移動シークエンスにおいて手番プレイヤーは、盤上の自軍指揮官の活性化と、それに伴うユニットの移動を行なえます。各部隊の移動はそれぞれ完全に独立して行ない、1つの部隊の移動が完全に終わるまで、他の部隊の移動を行なうことはできません。  それぞれの移動を終えた直後、またはその時点で敵ユニットと隣接している自軍部隊は、攻撃実施判定を行なわなければなりません。攻撃実施判定は、サイを1つ振って、司令官の戦闘修正値以下であれば成功とします。  何度も言いますが、各部隊は、移動時に敵ZOCに進入した場合、必ずそこで移動を終了し、ZOCを及ぼしている敵ユニットに対して攻撃実施チェックを行なわなければなりません。  河川砲艦の移動(また揚陸作戦や河川輸送の為の陸兵の乗船/下船)も、移動シークエンス中に行なわれます。 〔4.23〕戦闘準備シークエンス  このシークエンスでは、部隊の戦闘前退却と、リアクション移動(防御ヘックス増強の為に近くの攻撃されていない部隊を、そこへ移動させる)等を行ないます。 〔4.24〕戦闘シークエンス  攻撃(Assault)マーカを置いている自軍部隊に攻撃を行なわせます。1つの部隊は、1つのヘクスの敵部隊に対してのみ攻撃を行なうことができます。戦闘は、全ての攻撃の組み合わせを決定してから1ヵ所ずつ完全に解決していきます。 a).各スタックの戦闘力は、補給状態と、隣接部隊による支援(防御側のみ)により修正される場合があります。どちらかのプレイヤーが望むなら、2回目の戦闘である連続戦闘へ持込むことができます。それぞれのプレイヤーが射撃戦闘結果表を使って振るサイコロの目には、司令官の戦闘修正値,砲兵戦力,司令官の戦意レベル差,地形などの修正が適用されます。 b).このゲームの戦闘解決はファイア・パワー方法なので、戦闘に参加します。それぞれの側が相手に対して戦闘結果(ステップロスや退却など)を求める形となります。全ての戦闘を解決したなら、戦闘シークエンスは終了します。 〔4.25〕指揮官給与シークエンス  手番プレイヤーはここで、盤上または編成ボックスにある(その時点で活性化している)各指揮官につき、それぞれ1戦費ポイントを支払わなければなりません。これでその手番プレイヤーの活動インパルスは終了し、相手プレイヤーの活動インパルスに移行します。  相手側プレイヤーは、これから行なう自軍の活動インパルスに、作戦レベルを幾つ使用するか宣言します。 〔4.3〕再編成セグメント  このセグメントは、両プレイヤーが持つ作戦レベルの全てを使用した後に行なわれます。このセグメント中に、次のターンの作戦行動の為の準備を行ないます。またこのセグメントは活動インパルスとは異なり、両プレイヤーが同時に実施していきます。  再編成セグメントは、補給再確認シークエンス,管理シークエンス,艦船シークエンスの3つで構成されています。 〔4.31〕 補給再確認シークエンス  まず最初に両軍とも町の焼き討ち/橋の焼き落とし、徴発(シナリオで許されている場合)と現地募兵のチェックを行ないます。両軍とも、友軍大都市からの収入と徴発の結果で獲得した戦費ポイントを、現在の戦費残量に加えます。  次に両プレイヤーは盤上の自軍部隊について、その補給状態を再確認します。ここで補給線を設定できまない部隊、または3人以上の指揮官を含む部隊は、消耗チェックを行なわなければなりません。 〔4.32〕管理シークエンス  このシークエンスにおいて各プレイヤーは、以下の活動を行なえます。  1)ステップロスの回復や除去ユニットの再登場  2)指揮官の更迭と着任、入れ替え等  3)新たな野戦,直轄部隊の編成  4)新たな特殊ユニットの購入と砲兵力の強化(WEPを消費)  5)弾薬ポイントの購入と分配(WEPを消費)  6)指揮官の訓練(戦意上昇)  7)各種工兵活動(築壕、修理など)   〔4.33〕海軍シークエンス  北軍プレイヤー(のみ)は、増援を登場させることができます。また北軍プレイヤーは、ここで河川輸送を行えます。そして、現在、揚陸作戦の途上に艦隊があるなら、北軍編成表の揚陸作戦進捗表上でそれら河川砲艦をひとつ進めます。 〔4.4〕ターン終了  再編成セグメントの全ての行動が終了したら、ターンマーカを次のターンに移行させます。そして全ての指揮官の管理ポイントを、固有の管理値まで自動的に戻します。これでターンは終了し、次のターンが始まります。 【5.0】先攻決定セグメント  毎ターン最初に、先攻決定セグメントを行ないます。ここで決めるのは、どちらが先に活動インパルスを行なうかであり、その為には各軍に与えられた作戦レベルを最初にどれだけ使用するつもりか、ビッド(競り)にかける必要があります。シナリオ情報として各軍に与えられた作戦レベルは毎ターン定量与えられるものであって、蓄積できません。最初からパスする場合以外、与えられた作戦レベルは毎ターン使いきらなくてはなりません。相手より多くの作戦レベルを使用する側が、最初に活動を行なう事ができます。最初に手番を行なう側は、まずサイを2個振って、そのターンの天候を決定します。 〔5.1〕競りの手順 Bidding  両陣営には、表面に国旗が描かれたビッド専用チットが用意されています。チットの表面には、裏面のビット値(使用作戦レベル)を秘匿する為に各軍の旗が描かれており、裏側には0〜6のビット値が書かれています。数値がゼロ(0)のチットは「パス」を表わしています。このチットは常に使用可能です。プレイヤーは、シナリオで定められた作戦レベルの最大値までの数値のチットを使用できます。プレイヤーの任意によって、各決定セグメントに全てまたは一部の作戦レベルを提示する事ができます。両軍とも相手に見られないよう、ビッドする作戦レベルと同じ値のついたチットを選び、同時に見せ合います。 〔5.11〕競り勝ち Winning the Bid  相手より高い数値の作戦レベルを競りにかけた側が、ビッドの勝者となります(イニシアチブ獲得)。勝者は必ずそのターン最初の活動インパルスを行なわなければなりません。ビッドに勝利したプレイヤーは、直ちに5戦費(5WEP)を支払わなければなりません。 〔5.12〕引き分けの場合 Tying the Bid  もし両軍が同じ数値のチットを提示した場合は、再びビッドします。もし3回ビッドしても引き分けだった場合、その時点でより多くの戦費ポイントを持っているプレイヤーがイニシアチブを獲得し、最初の手番プレイヤーとなります。ただし、この場合は支払う戦費ポイントが2倍(10戦費)となります。 ◆例外:もし両プレイヤーが「パス」のチットを提示した場合は、そのターンは直ちに終了します。〔5.13〕に従って下さい。 〔5.13〕パス・チットのビッド Bidding the Pass Chit  もしプレイヤーが決定セグメントで、パスのチットを選択したとき、相手プレイヤーもパス、または彼が提示できる最大値の半分(端数切上)以下のチットを提示していた場合、両軍にとってそのターンの活動は全く行なわれません。この場合、一切の活動インパルスが実施されず、直ちに再編成セグメントを実施します。 a).片方のプレイヤーだけが「パス」チットを提示した場合、相手プレイヤーが、自身の提示できる最大値の半分を越える作戦レベルをビッドに掛けていたならば、そのターン中の活動インパルスを独占する事ができます。  この場合、ビッドで提示した作戦レベルの代わりに、自動的に自分が提示できる作戦レベルの半分(切り上げ)の消費でイニシアチブを得ます。その後は、そのプレイヤーが残りの作戦レベルを使用して、インパルスをもう一度行ないます(インパルス独占の場合は、2インパルスまでが限界です)。 【例示】北軍は、与えられた5作戦レベルのうち、4をビッドしました。南軍は3作戦レベルを有していましたが、0:Passをビッドしました。この場合、上記a)にある通り、北軍は最初の活動インパルスを、作戦レベル3(4のかわりに。5÷2=2.5/端数切上)で取得することになります。南軍はパスを選択したので、このターンは一切活動インパルスを行なえません。その後は自動的に北軍が、残りの作戦レベル2を使って第2インパルスを行ないます。 〔5.14〕全作戦レベルのビッド  作戦レベルの最大値をビッドしたプレイヤーは、そのターンに1回しかインパルスを実施できません。これは、後攻プレイヤーがどれだけ作戦レベルをビッドしていようと関係ありません。この場合後攻プレイヤーは、全ての作戦レベルを一度にビッドして先攻権を得たプレイヤーのインパルスの後に、続けて2回インパルスを行なうことができます。この場合、後攻プレイヤーの最初のインパルスは、最初にビッドした作戦レベルで行ない、次のインパルスは自動的に残りの作戦レベルで行ないます(シナリオによってはインパルス毎に使用できる作戦レベルに制限がありますが、この場合は例外となります)。 〔5.15〕活動インパルスの実行  先攻決定セグメントで両プレイヤーが、持てる最大の作戦レベルをビッドした場合を除き活動インパルスは、原則として交互に行なわれます。先攻後攻とも最初のインパルスにおいては、先攻決定セグメントのビッドで提示した作戦レベルを必ず使用します(例外あり)。2回目以降のインパルスでは、インパルス開始時にプレイヤーが残りの作戦レベルからどれだけこのインパルスに使用するかを宣言します。これはビッディングではありません(ビッディングは次の先攻決定セグメントまで行ないません)。このようにして両プレイヤーが自分の作戦レベルを消費し尽くすまで、交互にインパルスを実行していきます(活動インパルスを行なうには、最低でも1作戦レベルが必要です)。 5.16 作戦レベルと延長戦闘  個々の戦闘において、もう一押しすれば相手に打撃を与えられるとプレイヤーが判断したなら、その戦闘の為に追加1作戦レベルを消費して、延長戦闘を行なえます。活動インパルス中に、ある戦闘を解決した後、部隊がまだ敵と隣接しているなら、攻撃側から最初に戦闘の延長を宣言する事ができます。延長戦闘を行うには、宣言したプレイヤーの残りの作戦レベルから1作戦レベルを消費しなければなりません。延長戦闘の詳細は〔10.7〕を参照してください。 a).後攻プレイヤーは、原則として必ずインパルスを2回に分けて行ないます。もし先攻プレイヤーが全ての作戦レベルを使用してインパルスを得たなら、後攻プレイヤーは2回連続してインパルスを行ないます〔5.14〕。この場合、1回目のインパルスにおいては原則としてビッドで提示した作戦レベルを使用し、2回目のインパルスでは残りの作戦レベルを使用するのですが、延長戦闘に備えて残りの作戦レベルのうちから少し残しておく事が許されます。もし延長戦闘が行なわれなければ取っておいた作戦レベルは失われます。 〔5.17〕インパルス連続の制限  あるプレイヤーが全ての作戦レベルを提示してビッドに勝利した場合の後攻プレイヤー、および一方のプレイヤーがパスを選択した場合、その相手プレイヤーはインパルスを連続して実施できます。これらの場合以外、インパルスは常に交互に実施されます。 〔5.2〕天候(発展ルール)  1年のうち6〜8月を除いた9カ月は、天候表によってそのターンの天候を決定します。6〜8月の天候は自動的に晴天(Clear)とみなします。  各ターンの先攻決定セグメントにおいて、先攻権を得た側がダイスを2個振り、そのターンの天候を決めます。 天候決定にはダイス修正はありません。天候は、部隊の移動/戦闘、指揮官の戦意等に影響を与えます。 〔5.21〕晴天(Clear Weather)  晴天自体はゲームに何の影響も及ぼしません。晴天は以前のターンの悪影響を解消します。泥濘または吹雪の次が晴天であったなら、全ての指揮官の戦意が1上昇します。 〔5.22〕小雨(Light Rain)  全ての地形の移動コストは+1増加します。小雨は、泥寧判定に際して0.5雨ターンに換算されます。 〔5.23〕雨(Rain)  全ての地形の移動コストは+1増加します。また雨ターンの移動では河川を渡る際、浅瀬を利用できず、浅瀬を通して補給線を引く事も禁じられます。さらに強行軍チェックと消耗チェックのサイの目に不利な+1が適用されます。そして射撃戦闘結果表(FERT)を使用する際、全てサイの目に−1が適用されます。 〔5.24〕泥寧(Mud)  雨ターンが2ターン連続した場合、自動的に泥寧となります。泥濘時における移動コストの罰則は浅瀬に関するものも含めて「雨(Rain)」と同様ですが、強行軍チェックと消耗チェックの際のサイの目に、不利な+3が適用されます。そして射撃戦闘結果表(FERT)を使用する際、全てサイの目−1されます。 〔5.25〕雪解け(Thaw)  全ての地形の移動コストは+1増加します。また雪解けターンの移動では、浅瀬を渡る際の渡河コストが2倍になります。これは浅瀬を通して補給線を引く場合も同様です。  ただし南軍には大河川の渡河に関して、特別な恩恵〔8.24a参照〕が与えられる場合があります。 なお橋を利用して大河川渡河する場合には、これらの罰則は適用されません。  雪解けターンの間は大河川の水かさが増している為、これを利用して河川砲艦(Gunboats)は、罰則なしに大河川の浅瀬(Major River Ford)および大河川の暗礁(Major River Shoals)を通行することができます。 〔5.26〕寒気(Cold)  全ての指揮官の戦意が、直ちに1レベル低下します。例えば戦意3の指揮官は、戦意2となります。ただし寒気ターンによる戦意の減少は最大で1であり、例え寒気団が何度襲おうとも戦意低下は累加しません。  そして寒気以外の天候ターンとなったなら、寒気によって低下した1戦意を直ちに回復することができます。 〔5.27〕小雪(Light Snow)  全ての地形の移動コストは+1増加します。 〔5.28〕大雪(Snow)  道路以外の全地形の移動コストは+1増加します。道路を利用する場合は、道路移動率ではなく、その地形本来の移動コストを支払って移動します。また鉄道移動は一切行えません。  また強行軍チェックと消耗チェックのサイの目に不利な+2が適用されます。 〔5.29〕吹雪(Blizzard)  道路を使わずに移動する場合、全地形の移動コストは2倍となります。 道路を使用する場合は、道路移動率ではなく、その地形本来の移動コストを支払って移動します。また鉄道移動は一切行えません。   小河川は凍結しているものとし、小河川ヘクスサイドを渡るときの移動コストは無視できます。  吹雪(Blizzard)ターン中に、指揮官またはユニットが移動したなら、直ちに戦意が1レベル低下します。(例:戦意が”0”の戦闘ユニットが吹雪をおして移動した場合は、戦意は1になります。また戦意が3の指揮官が吹雪をおして移動した場合は、戦意は2に低下します。)  強行軍チェックと消耗チェックの際のサイの目に、不利な+4が適用されます。そして射撃戦闘結果表(FERT)を使用する際、サイの目に−4が適用されます。 6.0インパルス 各ターンは、1回の決定セグメントと1回の再編成セグメントを含んでいて、その間に何回かのインパルスを実行することにより構成されます。 インパルスとはこのゲームシステムの核をなすものであり、この時に部隊の機動および戦闘を行ないます。各インパルスは補給シークエンス、移動シークエンス、対応移動シークエンス、戦闘シークエンスで構成されています。 〔6.1〕 南軍の増援はシナリオに決められたインパルス中に登場します。なお特に登場インパルスや登場先が明記されていない場合、南軍の増援はターン最初の南軍インパルスに、自軍マップ端に最も近い友軍の駅に登場します。HQの増援は何れかの指揮官の上に登場します。 7.0補給シークエンス ユニットが能力(移動,戦闘,消耗の回避等)を存分に発揮するには、補給を受けていなければなりません。ユニット補給の状態には、完全補給状態,戦闘補給状態,補給切れ状態の3つがあります。補給状態の確認は、各インパルスの最初の移動を開始する前と、戦闘が発生した時と、さらに再編成セグメントにもう1度実施します。この最後のチェックのときは、消耗の判定,増援ステップの編入,弾薬補給,砲兵の補充も実行します。 7.1補給状態判定 補給状態の判定は、各部隊が補給源まで補給線(LOS)を設定できるか否かによって判定します。 7.11補給源 全ての補給線は各部隊から、最終的に補給源まで設定します。補給源は以下のとおりです。 a.マップ端の鉄道線がマップ上に入ってくるヘクス b.マップ端の鉄道線が妨害されずに続いている大都市ヘクス c.港のある大都市ヘクス d.上陸堡があるヘクス(北軍のみ) 各部隊はいずれかの補給源に20MPs以内で補給線を設定できれば完全補給状態と見なされます。 7.12補給線の延長 軍隊の行動は常に補給源に近接した場所で行なわれるわけではありません。20MPs以内で補給源に補給線を設定できない場合は、補給廠(Depot)および、補給馬車(Wagon)ユニットを組み合わして補給線を延長し、最終的に補給源まで補給線をつなぐことができます。これら補給線を構成する補給ユニットの組み合わせは自由です。 a.「補給廠(Depot)」ユニットは大都市または町ヘクスにしか設置できません。その補給範囲は20MPsとなります。ただし一旦配置された場所から移動させることはできません。「補給馬車(Wagon)」ユニットは、10MPsの範囲で補給線を設定でき、各インパルス中に固有の8移動力で移動するか、または野戦部隊と行動を共にすることができます〔7.21参照〕。 補給廠(Depot)と補給馬車(Wagon)を使って中継線を構築します。補給馬車(Wagon)は補給廠(Depot)からの補給線をさらに遠くへ延長することができます。補給馬車(Wagon)と補給廠(Depot)を中継して最終的に補給源まで補給線を設定できる部隊は、完全補給状態と見なされます。 b.補給線はどの時点でも、敵戦闘ユニットか敵ZOCの存在によって遮断され得ます。補給線の設定では、敵ZOC内に味方ユニットが存在すれば、その敵ZOCを無視することができます。補給線を設定できない部隊は、強行軍の試みおよび消耗の結果を出す際ダイス修正+4が適用されます。 c.補給線の長さをカウントする際の移動力計算は天候による影響を受けます。ただし塹壕による影響は受けません。補給線のカウントは常に通常の移動コストで行ない、強行軍の移動コストを使うことは決してできません。また補給線は進入禁止地形や、橋(舟橋含)の架かっていない、または浅瀬の無い大河川を通して設定することはできません。 7.13鉄道補給 プレイヤーは鉄道線を使って補給線を設定することができます。破壊されていない味方の鉄道線がある町ヘクスに補給廠(Depot)ユニットが存在し(鉄道補給廠(Railroad Depot)、その鉄道線が補給源まで続いている場合、そこが最初の補給中継点となります。補給源から鉄道補給廠に至る鉄道線の長さに制限はありません。もし補給源から鉄道補給廠まで続く鉄道線上に、線路破壊マーカか敵戦闘ユニット、敵ZOCが存在する場合は、その鉄道補給廠は補給中継点とは見なせません。この様な鉄道補給廠は、補給切れのペナルティとして消耗判定時に補給許容量が1レベルずつ減少します(補給廠(Depot)マーカを1レベル低下したものに取り替えます)。 7.2補給馬車(Wagon)と補給廠(Depot) 補給馬車(Wagon)と補給廠(Depot)は、補給源からの補給線を野戦部隊まで延長するために使用する補給ユニットです。これらの補給ユニットには以下の特徴があります 7.21補給馬車(Wagon) 補給馬車(Wagon)の右上に表示されている数値は補給許容値です。補給許容値は補給線を設定することができる部隊の数(スタックしている部隊は1部隊と数えます)を表わしています。 補給馬車(Wagon)ユニットは各インパルスにおいて(指揮官なしで)単独で8MPsを持つものとして移動を行なえます。また指揮官の率いる野戦部隊とスタックしているなら、補給馬車(Wagon)の移動力ではなく野戦部隊と共に、その指揮官が移動力決定表で求めた移動力に従って移動することができます。 補給馬車(Wagon)は、分遣連隊ユニットを護衛として馬車に乗せて移動することができます〔8.64参照〕。分遣連隊の護衛が付いていない補給馬車の戦闘力は"0"であり、あるヘクスに単独でいる場合、敵部隊がそのヘクスに進入した場合は敵に鹵獲されます。プレイヤーは、補給馬車がこのように鹵獲されるのを防ぐために、自インパルス中に任意で除去することができます。 7.22補給廠(Depot) 補給廠(Depot)ユニットの右上にも補給許容値が表示されています。補給廠は大都市または町ヘクスにしか設置できません。鉄道線上の駅(鉄道線上にある町、大都市ヘクスを指す)に配置された場合は、"鉄道補給廠(Railroad Depot)"と呼ばれます。 補給廠(Depot)は移動できませんが、補給許容値と同じ値の戦闘力をもっています。補給廠とスタックしている部隊が攻撃を受けた場合、野戦部隊の戦闘力合計に補給廠の戦闘力をプラスすることができます。 補給廠(Depot)とスタックしていた部隊が退却した場合、補給廠(Depot)は一緒に退却できないので敵に戦闘後前進されるとその補給廠(Depot)は鹵獲される事になります。プレイヤーは、補給廠(Depot)が鹵獲されるのを防ぐために、自インパルス中に任意で除去することができます。 7.23補給許容量の換算外 マップ上に指揮官に率いられずに存在する戦闘ユニット(南軍旅団/北軍師団や分遣連隊)や、ある司令官の隷下となっている個々の従属指揮官(マップ上ではその司令官が統括する1野戦部隊マーカとしてスタックしています)、また"非活性化"司令官の部隊は、補給馬車(Wagon)と補給廠(Depot)の補給許容値の計算に関して別個に数える必要はありません。これらのユニットはいずれかの補給ユニットに補給線が引けることさえできれば、補給許容量にカウントする事なく、補給下にあると見なされます(Supply Link for free)。 ・訳者注:例えば補給量2を持つ補給馬車(Wagon)の補給範囲(10MPs)内に、テネシー軍の1野戦部隊マーカ(隷下に5人の従属指揮官含む)と、"非活動面"司令官2人、指揮官に率いられていない都市守備目的の旅団4つがあったとすると、補給馬車(Wagon)の補給量に関しては1野戦部隊マーカに与える1だけがカウントされ、1は余りの状態にあることになります。 7.24補給馬車(Wagon)と補給廠(Depot)のユニット上限 補給ユニットの数はゲームセットに含まれている数が最大限となります。これら補給ユニットは一旦ゲームに登場させてしまったなら、任意の除去または敵に鹵獲/除去されない限り、後から登場させる補給ユニットに適当なものがないからといって勝手に交換したりはできません。 7.3補給状態 補給状態には、完全補給状態,戦闘補給状態,補給切れ状態の3つの状態があります。また完全補給下にあっても「連絡線途絶状態」と「連絡線確保状態」の2つの状態が有り得ます。これら各状態の利点と制限は以下のとおりです。 7.31連絡線途絶状態 もし最寄りの補給廠(Depot)または直接補給源への補給線が20MP(または補給下の補給馬車(Wagon)まで10MP)より多くかかる場合、または補給線が設定できるが補給ユニットの補給許容値を超えてしまっている場合は、その部隊は連絡途絶と見なされます。連絡途絶状態でも、弾薬補給ポイントを残している場合は、その部隊は戦闘補給状態と見なすことができます。 a.連絡線途絶状態の部隊は、再編成セグメントに自動的に消耗判定を実施しなければなりません。なお消耗のダイス修正は、戦闘補給状態よりも補給切れ状態のほうが大きいです。 7.32補給切れ状態 連絡途絶状態で、かつ弾薬補給ポイント(ASPs)がない部隊は、補給切れ状態と見なされます。補給切れ状態の部隊は、戦闘解決または消耗を判定するときに非補給マーカをスタックの1番上に置いてそれを明示しなければなりません。 補給切れ状態では、部隊の移動力(IMCで求めた移動力)と戦闘力は半分(切り上げ)になります。また、砲兵力を一切使用することができません。 7.33戦闘補給状態 もし連絡途絶状態〔7.31〕でも、弾薬補給ポイントを残している場合、その部隊は戦闘補給状態と見なされます。弾薬補給ポイントを持っている司令官の部隊は、いつでも戦闘補給状態とすることができます。マップ上に単独で配置された戦闘ユニットは、常に弾薬補給ポイントを持っているものと考えます(原則として単独ユニットは常時戦闘補給状態)。 戦闘補給状態では、部隊の移動力(IMCで求めた移動力)は半分(切り上げ)となります。弾薬補給ポイントが1ポイントでもあれば、その部隊の戦闘力をそのまま使用することができます。 7.34完全補給状態 最寄りの補給廠(Depot)または直接補給源へ20MP(または補給下の補給馬車(Wagon)まで10MP)以内の補給線が引け、かついずれかの補給ユニットを利用してその補給許容値の範疇に含まれるなら、その部隊は「連絡線確保状態」でかつ完全補給状態となります。完全補給下のユニットは、各インパルス中にその移動/戦闘能力を遺憾なく発揮することができます(ただし砲兵力の使用には弾薬補給ポイントの保有が必要です)。 「連絡線確保状態」でかつ完全補給状態にある野戦部隊だけが再編成セグメント中に、ステップロス回復,砲兵力の向上,弾薬補給の搬入が許されます。 たとえ弾薬補給ポイントを持たない部隊であっても、補給源/補給馬車(Wagon)/補給廠(Depot)の補給範囲内かつ許容量内の場合は完全補給状態とみなされます。 またインパルス開始時に完全補給状態であったならば、そのインパルスの間は移動により補給線が設定できなくなっても、完全補給状態であり続けます。逆にインパルス開始時に非補給下なら、補給馬車が移動してきて補給範囲内に入れたとしても、そのインパルス中は依然非補給下と見なされます。 重要:徴発によって"Own Use"マーカを得た部隊は、インパルス開始時に完全補給状態にあるものと見なします。 7.35緊急補給 補給馬車(Wagon)と補給廠(Depot)は各インパルス開始時に、補給源から補給線を設定できない(連絡途絶状態の)野戦部隊に緊急補給を与えて完全補給状態にすることができます。また再編成セグメントにおいても、消耗判定の大きなダイス修正を軽減する為に緊急補給を行うことができます。 緊急補給は、ある野戦部隊の司令官の機動値(MR)と等しいヘクス数の範囲内に補給ユニット(補給許容値に関係なく補給馬車(Wagon)/補給廠(Depot)でありさえすれば可)が存在し、その補給馬車/補給廠を除去することでその野戦部隊を完全補給下におくことができます(1補給馬車/補給廠につき1スタックまで)。もしその野戦部隊に指揮官がいない場合、緊急補給を受けるためには消費する補給馬車/補給廠とその野戦部隊とがスタックしていなければなりません。 a.戦闘補給状態か非補給状態の部隊は、再編成セグメントに徴発活動〔13.2参照〕を行なうことにより、次ターンいずれか任意の1インパルスだけ完全補給状態にすることができます。徴発に成功した部隊は、"Own Use"(自給マーカ)を上に置いてそれを明示し、あるインパルス開始時に"Own Use"マーカを消費すれば、そのインパルス中は完全補給状態であると見なされます。ただしこれは1インパルス限定の一時的な補給に過ぎないので、再編成フェイズに依然連絡途絶状態なら、各種補充を受けられないのはもちろん消耗判定も受けなければなりません。 b.戦闘時の補給判定は、戦闘解決の瞬間にそれぞれ行います。戦闘後前進や退却の如何によってそれ以後の戦闘解決に際し補給状態が変化することが有り得ます。 8.0移動シークエンス 移動期の間に、プレイヤーはマップ上の自分の部隊を移動させることができます。またこの期にその他の行動(インパルス・アクション)も実施することができます。 8.1活性化指揮官 指揮官プールにおらず、また非活性化でもない指揮官は、活性化指揮官と呼ばれます。 シナリオ開始時、マップ上にある全ての指揮官は活性化指揮官としてゲームを開始します。活性化指揮官のみが敵部隊への攻撃の宣言、強行軍、敵ZOCへの進入、リアクション移動、鉄道移動、遊撃隊の編成、徴発、敵補給鹵獲、線路破壊、焼き討ち等のインパルス・アクションを行うことができます。 8.11非活性化 各指揮官は、移動力決定表(IMC)で移動力を求めたときに結果が1移動力に満たなかった場合、非活性化面(減少した能力値と名前だけで肖像画が無い面)に裏返されます。また各指揮官は消耗と強行軍の結果によって非活性化にすることがあります。 指揮官が非活性化面になったなら、直ちにその管理ポイント(AP)を指揮官カウンターの裏側の管理能力値(AR)まで下げる。(現状のAPが非活性化側のARより低い場合はそれ以上低下させる必要はありません) 8.12再活性化 非活性化した指揮官は、次の自分のインパルス中に以下に示す様な行動で再び活性化することができます。 1).ダイスを1個振り、指揮官カウンターの裏側のAR値以下の目が出た場合。 2).非活性化指揮官を率いる軍司令官から、その非活性化指揮官に対し活性化命令が発令された場合(この際非活性化指揮官はその上級司令官の指揮範囲以内にいなければなりません)。 3).緊急処置の発令。 4).指揮官カウンターの裏側の機動値(MR)で移動力決定表を使用し、移動力を得ることができた場合。 a.再活性化した指揮官は、直ちにカウンターを活性化面に表返します。1インパルス中には、以上1)〜4)の方法のうち1つを試みることができます。なおプレイヤーは望むなら自由に自軍の指揮官を非活性化させることができます。 8.13非活性化と病気(選択ルール) 各指揮官は、移動力決定表(IMC)で移動力を求めたときに結果が1移動力に満たなかった場合、非活性化面(減少した能力値と名前だけで肖像画が無い面)に裏返されます。と同時に、その原因が指揮官の発病によるものかどうか判定します。 発病判定は、その指揮官につきダイスを1つ振って行われます。5以下の目が出た場合は、その指揮官は単純に非活性化面へ裏返されるだけで済みます。もし6の目が出た場合は、その指揮官は発病し、病気の度合いを決定するためにもう一度ダイスを振り直します。 a.ここで5以下の目が出た場合は、その出目に等しいターン数だけ「負傷レベル」マーカが置かれて、戦闘による負傷〔10.67参照〕と同様の影響を被ります。負傷レベルは、各ターンの管理シークエンスに1レベルずつ回復していきます。回復は指揮官が指揮官プールに居ようが居まいが関係なく行なわれます。もし出目が6だった場合、そのシナリオの期間中には回復の見込みのない重病とみなされ、ただちにマップから除去されます。なおこの発病によって除去された指揮官は、シナリオ終了時に相手側の勝利得点としてカウントされません。 b.もしその指揮官が既に負傷マーカを有しており、更にこの発病判定によって負傷レベルが増加した場合、もしそれらを合計して6以上になるならその指揮官は合併症で病没します(既に負傷/発病しており、更なる発病チェックの出目が6だった場合も病没します)。なおこれによる除去指揮官は、シナリオ終了時に相手側の勝利得点としてカウントされません。 製作注:南北戦争における死傷者の大半が病気によるものでした。これは不衛生極まりない宿営地とお粗末な食事、長距離行軍に伴い長時間軍馬の背で揺られることが原因でした。一例として1864年の各戦役においてブラッグやリーは心臓病を罹っていましたし、62年の半島戦役ではあの石壁ジャクソンさえ過労から来る全身倦怠に悩まされていました。 8.2移動 全ての通常移動はそのプレイヤーのインパルスの移動シークエンス中に行なわれます。移動はインパルス・アクションの一つです。各ユニットは、ヘクスからヘクスへそれぞれの地形の移動コストを支払って移動します。各地形の移動コストは地形効果表(Terrain Effects Chart:TEC)に記述されています。 ユニットは進入するヘクスと、特別なヘクスサイドを越えるときの移動コストを移動力(MPs)から消費して移動していきます。TECに記述された全ての移動コストは累計されます。更に移動コストは天候の状態によって増加することがあります。また強行軍の試みに成功した場合は移動コストが減少します。 8.21移動の手順 各ユニットの移動力は固定されておらず、インパルス毎に可変するします。ユニットの移動力はそのインパルスに投入された作戦レベルと、そのユニット(部隊)を指揮する司令官の機動値(MR)によって決定されます。移動力決定表(IMC)の該当する作戦レベルと機動値(MR)の欄を参照しながらサイコロを1つ振り、出目の欄に表示されている数値がそのインパルスに使える移動力となります。 あるヘクスにスタックしている場合。全ユニットは、移動の前に部隊から切り放されない限り、必ず一緒に移動します。 1つの部隊の移動が終了しない限り(部隊が攻撃の宣言を行なったとしても)、他の部隊の移動を行なうことはできません。 プレイヤーは移動力決定のサイコロを振った以上、その移動力判定を無かったことにはできません。 8.22移動力決定表(IMC) IMCは各部隊のインパルス中の移動力を決定するものです。IMCは作戦レベル毎の6つの表で構成されており、プレイヤーは現在のインパルスに投入した作戦レベルと同じ番号の欄を参照します。 a.部隊の移動力を決定する際には、作戦レベルと同じ番号の欄で移動しようとする部隊の司令官の機動値(MR)と同じ欄とを交差させ、サイコロを1個振ります。機動値(MR)とサイの目の交差する欄に表示されている数値がその部隊がそのインパルス中の使える移動力です。 非活性化指揮官が活性化指揮官(司令官)の指揮下におり、その司令官のみがマップ上にある場合、その司令官の機動値(MR)でその部隊全体(非活性化指揮官も含めて)の移動力を決定します。 b.指揮官の指揮下にいない歩兵および工兵ユニットは、機動値(MR)を"1"と見なして移動力を決定してください。騎兵はMRを"2"と考えます。また、分遣連隊ユニットは指揮官か補給馬車(Wagon)とスタックしていないと移動できません。 c.騎兵のみで構成されている部隊(または騎兵軍団)が移動するときは、IMCの現インパルスに投入した作戦レベルよりも1レベル高い欄を使うことができます。 d.IMCによる移動力決定時のサイの目修正は以下のとおりです。 1).指揮官を2人以上含む部隊:+1 2).部隊が騎兵軍団である:−1 3).司令官の自主的戦意(ML)低下:低下1戦意レベルにつき−1 8. 23 移動の自由度 プレイヤーは自軍側各インパルスに指揮する部隊の全てを移動させることができますし、逆に部隊を一切移動させない選択も可能です。 移動力を決定した各部隊は得た移動力の全てを消費してもよいですし、全く使用しなくても構いません。 8.24 移動時の地形効果 ユニットがヘクスを辿って移動する際に必要な移動コストは全て地形効果表に記載されています。地形効果表の最初の縦列は道路/線路を使わずに移動する場合の移動コストで、2番目の縦列は道路/線路を使って移動する場合の移動コストを表しています。 全てのユニットは道路/線路を使わずに山岳ヘクスや山岳ヘクスサイドを越えて移動することはできません。また大河川ヘクスサイドに関しても、橋もしくは北軍工兵が架けた舟橋、または浅瀬を使わずに渡河することができません。これらによる渡河コストは地形効果表を参照してください。 a..南軍(のみ)は、ケンタッキー州を除き、テネシー、ミシシッピィ、アラバマ、ジョージアの各州内にある大河川の渡河に関して特典を有しています。これらの州内にある大河川で両岸に大都市または町がある場所(便宜的に「渡船場ヘクスサイド」と呼びます)で、かつそのどちらにも敵ユニットが存在せず、敵ZOC下にもない場合、原則として+3追加移動力消費(雪解けターンなら+6消費)で渡船場ヘクスサイドを越えることができます。ただし北軍の河川砲艦がその渡船場ヘクスサイドに対して哨戒封鎖〔8.93参照〕を行っている場合には、そこで渡河はできません。 8.25部隊の分離と統合 プレイヤーは部隊の移動中に、他の部隊を統合または移動中に部隊を置き捨てることができます。統合/分離を行なうには、そのヘクスの司令官が管理ポイントを消費(コストは1AP)しなければなりません。 a.統合:各部隊は、他の自軍部隊が居るヘクスを自由に通り抜けることができます。 指揮官が、まだそのインパルス中に移動していない味方部隊の上を通過(一時的にスタック)するとき、部隊を率いている指揮官を部隊ごと連れていくことができます(スタック統合)。部隊を統合するには、統合させる方の部隊司令官が管理ポイントを消費(コストは1AP)しなければなりません。 2つ以上の別々の部隊が、単一部隊である形態(スタック)をとるには、それぞれの部隊同士で、部隊構成の制限を守らなければなりません。さもなければ、スタックすることは許されません。 同一ランクの指揮官が指揮する部隊同士は、そのヘクスに軍HQが存在しなければスタックすることができません。しかしどちらかの指揮官のランクが高いならば、その指揮官が管理ポイントを消費することで(コストは1AP)2つの部隊を統合することができます。このとき、ランクの高い指揮官が野戦部隊の司令官ならば、ランクの低い指揮官とその部隊マーカは、マップ上でランクの高い司令官の部隊の下に重ねて配置します。ランクの高い指揮官が直轄部隊の司令官ならば、ランクの低い指揮官とその部隊マーカは、軍編成表上の該当する部隊ボックスに配置します。 b.分離:1つの部隊に複数の部隊が統合されているならば、それらを分離することができます。部隊の分離を行なうには、その部隊が移動を行なう前にそれらを率いる司令官が管理ポイントを消費しなければなりません(コストは1AP)。 1人の指揮官といくつかの戦闘ユニットで構成された部隊は、司令官が1APで管理ポイントを消費すれば単独の戦闘ユニットを分離できます。分離された指揮官ユニットと彼が率いる編成ボックスに対応するLeader.#マーカをマップ上に置かれ、以後別々に移動を行なうことになります。分離された部隊は、以後別々にIMCで移動力を決定します。 分離された部隊が移動力の決定に失敗した場合、直ちに元の親部隊に編入され直されます。このとき分離のために消費したAPは、無駄に失われることになります。これを嫌って部隊を分離した元の司令官に、さらに1AP消費させることにより命令として、分離した部隊に自分のMRを使って移動させることができます。軍HQユニットとスタックしている軍司令官は、その指揮範囲内に"分離されている"部隊がいるなら、例えそのインパルスにその部隊を分離させたばかりだとしても、軍司令官のAPを消費することで軍司令官のMRによって、"分離されている"部隊の移動力決定を行うことができます。 c.管理コスト:同一ヘクスにおいて一度に分離/統合するなら、分離/統合する指揮官の数/ユニット数に関わらず、命令に費やす管理コストは1APで済みます。 例示:あるインパルス開始時に北軍のテネシー軍司令官ハレック将軍は、彼の配下にあるカンバーランド軍を分離させて南へ、また同じく彼の配下にあるミシシッピィ軍を分離させて西へ移動させるとします。この場合これらの軍の司令官であるハレックが1管理ポイントを支払うことで、彼のスタックを3分割することができます。分離されたカンバーランド軍とミシシッピィ軍は、それぞれ自身の軍司令官の機動値(MR)を使って移動力を求め、各自移動していくことになります。 8.26その他の制限 l 部隊が移動中に敵ZOC内に進入した場合、必ずそこでその移動を中止しなければなりません。一旦敵ZOCに入った部隊が敵ZOCから離脱するには、攻撃宣言の失敗や戦闘結果によるものを除き、まずその敵ZOCで移動を開始することが条件となります。 l 部隊は、ある敵ZOCから直接他の敵ZOCへ移動することはできません(ZOC to ZOC禁止)。 l 部隊が敵ZOCに進入したなら、そこへZOCを及ぼしている隣接する敵部隊のいずれか1つに対して攻撃宣言しなければなりません。ただし騎兵偵察は例外です〔8.61参照〕。 ZOCを持たない敵ユニット(敵の補給馬車、汽車、上陸堡、南軍工兵総監)だけがいるヘクスは自由に進入/通過することができます。補給馬車や上陸堡など、鹵獲されようが破却されようが〔8.64参照〕そこへ入った部隊の移動に何ら影響を及ぼすことはありません。 8.3強行軍(発展ルール) 活性化指揮官(だけ)が移動シークエンス中に強行軍を試みることができます。強行軍に成功した部隊は、平地と道路の移動コストを軽減でき、それにより当然部隊の移動距離を延ばすことができます。 ただし強行軍を行なう部隊はステップロスしたり、指揮官が非活性化したりする危険性があります。 8.31手順 強行軍を行なう指揮官は、通常通りにIMCを使って部隊の移動力を決定します。次に強行軍表(Forced March Table)で、決定した移動力の欄を参照し、ダイスを1つ振り強行軍の結果を求めます。 a. ダイス目にはその部隊から最寄りの補給ユニット/補給源までの距離、補給状態、天候によって以下の修正が適用されます。 1).その部隊から最寄りの補給ユニット/補給源までの距離が最初の5移動力を越えて離れている5移動力単位ごとに+1(最大+4まで)が適用されます(例えば18移動力先の補給馬車に頼るなら18-5=13を5で割って+3となります)。徴発によって得た自給マーカがあればそれを消費することでこの修正を無視することができます。もしも敵の存在や移動禁止地形等により全く補給線が引けない場合、自動的に+4が適用されることになります。 2).戦闘補給状態だと+2、補給切れ状態だと+4の修正が適用されます(この修正を嫌って緊急補給による補給ユニットの食い潰し、または徴発によって得た自給マーカの消費を行うことができます。また上記1)の段階で自給マーカを消費している場合はこの2)の効果も無視できます)。 3).天候状態によって+1から+4までの修正が適用されることがあります。 4).司令官の戦意(ML)を1レベル低下させる毎に、ダイス目から−1することができます(この場合直ちに軍編成表のMLを低下させてください)。 5).サイの目から自動的に司令官の機動値(MR)分だけマイナスします。 強行軍表の欄を見ながらダイスを1個振り、出目に各種修正(全て累積します)を適用した最終的な数値と交差する欄に強行軍の成否が示されています。強行軍表でステップロスの結果を受けた場合は、強行軍を試みた部隊に含まれるいずれかのユニットをステップロスさせます。ステップロスは直ちに適用します。もしこのステップロスによって率いている戦闘ユニットがいなくなった指揮官は、直ちに予備指揮官プールへ移され、編成表に有していた弾薬補給ポイントや砲兵力も無為に失われます。 b.強行軍表で指揮官非活性化の結果を受けた場合、その強行軍(移動)が終了した時点で非活性化させます。またその指揮官が率いる野戦部隊は、その移動によって敵ZOCに進入することができません。もし強行軍に失敗したなら、すでに決定されている移動力を使って通常の移動コストを支払って移動しなければなりません。 c.強行軍を行なった部隊はそのインパルス中の戦闘において、戦闘力と砲兵力が半分(切り上げ)となります。 8.32 強行軍の諸制限 補給馬車は部隊と共に移動する場合を除き、単独で強行軍を行うことはできません。 a.強行軍は平地または道路に沿ってその他の地形に進入する場合にのみ実施できます。強行軍に関して鉄道線路は道路と見なされません。強行軍を行う部隊は平地ヘクスを除き、道路を使わずに大都市、破砕地(Broken)、荒野(Rough)、沼地ヘクスに進入することはできません。 8.4 攻撃実施判定 移動によって敵ZOCに進入・接敵した部隊は、隣接する敵部隊の内の1スタックに対して攻撃実施判定を行なわなければなりません。またZOCを及ぼしていない敵戦闘ユニットに隣接して移動を終えた部隊は、地形的に攻撃可能ならば任意で攻撃実施判定を行うことができます。 8.41 攻撃実施判定の手順 原則としてZOCを及ぼしている敵ユニットに隣接した手番側ユニットは、その敵部隊に対し必ず攻撃実施判定を行なわなければなりません。 攻撃実施判定にあたっては、その部隊の司令官は管理ポイントを消費(コストは1AP)しなければなりません。部隊に指揮官がいない場合は、APを消費せずに攻撃実施判定を行うことができます。 例外:敵ZOC内に進入した指揮官が管理値(AP)を持っていなくとも攻撃実施判定は行われなくてはなりません。この場合例外的にAPの消費はいりませんが、この部隊が攻撃を行う際、「拙速」攻撃と見なされて戦闘解決時に不利な−2サイの目修正が適用されます。 攻撃実施判定はダイスを1つ振って以下の方法で判定します。 その出目を、スタックを率いる司令官の戦闘修正値(指揮官が率いていない独立部隊ならば、そのユニットの戦意(ML)を反転した数値)と比較します。もし出目がその戦闘能力値(独立部隊ならML反転)以下ならば、攻撃を行なうことができます。 攻撃実施判定に成功した場合は、そのスタックの上に「攻撃(Assault)」マーカを、攻撃するヘクスに矢印を向けて置きます。 a. もし攻撃実施判定に失敗した場合は、直ちに1ヘクス退却を行ない、そのスタックに含まれるいずれかの戦闘ユニットを1ステップロスさせねばなりません。それと同時に司令官のMLも1レベルダウンします。 8.42攻撃実施判定の制限 プレイヤーは、敵に隣接したスタックの攻撃実施判定を他の部隊の移動を始める前に行わなければなりません。 従属指揮官の部隊は、たとえ軍司令官の指揮範囲内にいたとしても、自身の戦闘修正値(BR)に基づいて攻撃実施判定を行わなければなりません。攻撃実施判定において軍司令官は従属指揮官に自分の戦闘修正値(BR)を使わせることはできません。 ただし既に攻撃実施判定に成功している部隊が存在するヘクスに他の部隊が進入する場合には攻撃実施判定を行う必要はなく、自動的に攻撃に参加できます。ただしこの場合スタック統合の為に司令官が管理ポイントを消費(コストは1AP)しなければなりません。 a. 攻撃戦闘終了後、防御側の部隊が攻撃側のZOCに留まっている場合、その防御側プレイヤーのインパルスにおいて、その部隊は移動の最初に敵ZOCから離脱するか、そうでなければ攻撃実施判定を強制されることになります。 8.5分遣連隊 両プレイヤーは分遣連隊を創設する事ができます。分遣連隊は、拠点防御の為の独立守備隊としてだけではなく、補給馬車(Wagon)の警護隊として馬車に便乗する格好で移動する事もでき、また補給馬車を補給廠(Depot)に変換する為の必須条件ともなります。 8.51分遣連隊の創設手順 分遣連隊は、インパルス中または、再編成セグメントにおいて指揮官が管理ポイントを消費(コストは1AP)する事で創設できます。1個の分遣連隊を編成する事により、プレイヤーはいずれかの戦闘ユニットをステップロスさせるか、または除去しなければなりません。どの戦闘ユニットを取り崩す事で、どれだけの分遣連隊が創設できるかは「分遣連隊創設表(Detachment Chart)」に載っています。 なお戦闘ユニットを取り崩す以外に分遣連隊を創設する事はできません。 8.52分遣連隊の特徴 分遣連隊は、戦闘力やMLこそあるものの指揮官または補給馬車と一緒でなければ移動することができません。なお分遣連隊は創設されたインパルスにおいて指揮官または補給馬車と共に移動することができます。なお分遣連隊はZOCを展開できず、1ステップしか持ちません。 8.6移動に関する特例(発展ルール) 移動の際、いくつか特殊な活動を行うことができます。これらの特殊活動は移動中のどの段階でも実施できます。ただし同一インパルスにおいて騎兵ユニットが騎兵偵察と騎兵スクリーンの両方を同時に行うことはできません。騎兵偵察を行っている間は騎兵スクリーンの効力を失いますし、騎兵スクリーン展開中に騎兵偵察を行うことはできないのです。 8.61騎兵偵察 騎兵ユニットは移動中に騎兵偵察を実行できます。騎兵偵察とは接敵して相手のおよその兵力を探ることです。 どの騎兵ユニットも偵察活動を行なうことができます。プレイヤーは自軍の各騎兵ユニットにつき、それが隣接する1ヘクスに偵察を試みることができます。偵察を試みる騎兵ユニットには、敵ZOC進入による移動停止&攻撃実施判定の義務はなく、偵察後その移動を続けることができます。ただしこの特典を利用してZOC to ZOCはできません。望むならプレイヤーは、既に偵察を試みたあるヘクスに対して別の騎兵ユニットによって何度でも偵察を行なうことがでます。 例:2ユニットの騎兵からなる騎兵スタックが敵を偵察するためにその隣接ヘクスに移動しました。これらの騎兵は偵察チェックの結果に関わらず敵ZOC進入による移動停止や攻撃実施判定の強制を無視することができます。また、これらの騎兵は同一ヘクスに対してそれぞれ1回ずつ計2回偵察を試みることができます。 a. 偵察を試みる側はダイスを一つ振り、出目にその偵察を試みた騎兵ユニット数を足します。一方偵察を受ける側もダイスを一つ振り、もし騎兵スクリーンを行なっている騎兵〔8.62参照〕がいればその数だけ出目に加算できます。そしてお互いに修正後の出目を比べて大きい方が勝ちます。偵察を試みた側が勝てば偵察対象となったヘクスに存在するユニット数と、もしそれが騎兵スクリーンによって隠匿移動していたならその存在を地図上で明らかにしなければなりません。偵察を受ける側の方が勝った場合、その偵察は失敗し何の情報も得られません。 b. 個々に活動する騎兵とは別に騎兵ユニットだけで構成された「騎兵軍団〔16.12参照〕」は、それを構成する騎兵ユニットの数に等しいヘクス数だけ離れた距離にいる敵ユニットに対し、直接隣接することなく偵察を行える「偵察範囲」を有しています。例えば騎兵3ユニットで構成された騎兵軍団なら3ヘクス先まで偵察を行えます。また偵察距離と同じく偵察を行うことのできる回数も騎兵ユニットの数に等しいです。 c. もし相手側が騎兵軍団スクリーン〔8.62.a参照〕による隠匿移動によって地図上のユニットを隠している場合、騎兵軍団の偵察範囲内に対して偵察を試みることでその存在を探索することができます。方法は通常の騎兵偵察と一緒で、偵察を試みる側が偵察に成功すれば、隠匿された部隊の正確な位置とユニット数を明らかにします。ただしもし偵察範囲内に隠匿された部隊が存在しなければ、偵察に成功しても存在しない事を伝えて終わりです。 8.62 騎兵スクリーン 1つの騎兵ユニットは、マップ上にある1人の指揮官の上に置かれる事で、その指揮官の能力を相手に対して隠蔽することができます。騎兵スクリーンを受けている指揮官は、その能力を秘匿したまま移動を行なうことができます。スクリーン中の騎兵ユニットは司令官直属の部隊として編成ボックスに移される事なく、その司令官ユニットの上に直接置かれ続けます。 騎兵ユニットだけで構成されている前線部隊は"騎兵軍団"〔16.12参照〕とすることができます。騎兵軍団はそれを率いる指揮官ユニットの下に騎兵軍団マーカを置くことで表わされます。両軍とも騎兵軍団は2個までしか編成することができません。騎兵軍団は大砲を2戦力までしか持てません。騎兵軍団は、いずれか1つの編成ボックスを利用します。騎兵軍団専用のボックスはありません。 騎兵軍団は、移動力決定表(IMC)を使用する際、その出目に有利な−1が適用されます。騎兵軍団は司令官の指揮範囲外にあっても対応移動を試みることができます。 騎兵軍団は、それを構成する騎兵ユニットの数に等しい偵察範囲を持っています。騎兵軍団で騎兵偵察を行なう場合、それを構成する騎兵ユニットの数に等しい回数まで偵察を試みることができます。騎兵軍団は敵のスクリーン範囲内にいる隠匿された部隊を探り出す偵察を行なうことができます。 a..騎兵軍団は強力なスクリーン効果を発揮します。騎兵軍団を構成する騎兵ユニットの数に等しいヘクス数だけスクリーン範囲を展開することができます。言い換えるなら騎兵軍団のスクリーン範囲は、その軍団にいる騎兵ユニット数に等しいと言うことです。騎兵スクリーンを展開中の騎兵軍団は裏返されて「スクリーン」面を向けて置かれます。 騎兵軍団のスクリーン範囲内にいる友軍ユニットは地図上から取り除き、その存在ヘクスを紙片にプロットしてゆくことで隠匿移動を行なわせることができます。この場合まず騎兵軍団を先に移動させ、隠匿移動させたい部隊をそのスクリーン範囲内に常に収まる形で動かします。この際スクリーン範囲から逸脱した部隊は、一時的にでもマップ上に現れてその存在を知らしめなければなりません。なお隠匿中の部隊は単に相手側にその存在を隠しているというだけで、実際には地図上に存在しているわけですからZOCも展開していますし、敵に隣接すれば攻撃実施判定(または騎兵偵察)を行わなければなりません。また補給や消耗も通常通り行います。なお騎兵軍団自身は決して隠匿移動の対象とはならず、常に地図上に置かれなければなりません。 訳注:.秘匿移動は重要なルールの割にやや不明確です。常識的に考えて、隠匿されている部隊が敵のZOCに入った場合には即座に地図上に現れるとすべきでしょう。 b. 騎兵軍団が騎兵偵察を行う場合、軍団に含まれる騎兵の数だけ偵察チェックの出目に加算でき、逆に騎兵軍団が敵の騎兵偵察に抗す場合は、軍団を構成する騎兵ユニットの数を出目に加算できます。 c. 塹壕マーカ〔14.85参照〕は騎兵スクリーンと同様にそれが置かれた指揮官の能力値を秘匿することができます。 8.63  線路破壊 唯一騎兵ユニットだけが、移動中に地図上の鉄道線路を破壊することができます。これはふる部隊の一部として騎兵ユニットが編成ボックスにあったとしても行えます(もちろん規定の移動力を支払えば)。これにより破壊された線路ヘクスには「鉄道破壊(Rail Line cut)」マーカを配置します。線路破壊は線路ヘクスでその地形のコスト+3MPを支払うことで自動的に成功します。この際、移動力が十分あれば何ヘクスでも線路を破壊しながら移動することもできます。なお騎兵部隊はその他の戦闘ユニットと同様、鹵獲や破壊活動にも関わることができます。 8.64 鹵獲 全ての戦闘ユニットは、敵が不注意に配置した戦略物資を鹵獲することができます。鹵獲される可能性のあるユニットは、補給馬車、補給廠(Depot)、汽車、南軍工兵総監、北軍上陸堡(Naval Landing)です。それらが存在するヘクスにいた敵戦闘ユニットが戦闘結果により全て取り除かれるか、またはそれらが単独で存在するヘクスに友軍戦闘ユニットが侵入すると鹵獲されたと見なされます。補給馬車または汽車を鹵獲した場合は、直ちにそれを自軍色の物に取り替えます。南軍工兵総監は単に除去されるだけです。 a. あるインパルスに北軍上陸堡のあるヘクスに侵入した南軍プレイヤーは、それを鹵獲するか破却するか選択できます〔13.1参照〕。北軍上陸堡を鹵獲するには少なくとも1戦闘ユニットと指揮官、および補給馬車が一緒でなければなりません。南軍は北軍上陸堡のあるヘクスに先の鹵獲要領を満たすスタックがおり、その司令官が管理ポイントを消費(コストは1AP)すれば、上陸堡に集積された北軍の物資を戦費(WEP)として鹵獲(獲得)することができます。鹵獲できるWEPは、そのヘクスにある南軍の補給馬車マーカの補給許容値と同じ量になります。これに伴い北軍のWEPは鹵獲された分だけ減少します(逆に南軍は鹵獲した分だけ直ちにWEPを加算します)。上陸堡が鹵獲された後の北軍インパルスにおいて、北軍はその上陸堡を"枯渇状態"にすると宣言できます。その場合上陸堡はマーカを裏返して"枯渇"面を向けます。そしてターン末の管理シークエンスにおいて、その上陸堡を除去できます。 註:南軍に鹵獲されるまで北軍プレイヤーは任意で上陸堡を"枯渇状態"とすることができません。 b. 補給廠(Depot)の補給容量は同時に防御戦力も表します。もし補給廠(Depot)が退却を強いられた場合、直ちにそれは鹵獲されたものと見なされて損害適用後の防御戦力に等しい補給容量を持つ友軍補給馬車マーカと交換されます。 8.7 鉄道移動(発展ルール) アメリカ南北戦争における新機軸の一つは、鉄道による補給物資や兵員の大量輸送が行われたことです。これを反映して各陣営は使用可能な鉄道線上で兵員の輸送を行えます。 8.71 概略 鉄道線路上に位置する全ての町、及び大都市は自動的に駅と見なされます。もし二つの駅の間が線路で結ばれており、その間が破壊されていなければ、その鉄道線は以前からその鉄道を支配していた陣営に対して"開通している"とみなされます。 全てのシナリオの初期配置において、北軍の補給廠(Depot)が置かれた駅から北側の線路は全て北軍にとって開通していると見なされます。逆に南軍の補給廠(Depot)が置かれた駅から南側の線路は南軍にとって開通していると見なされます。 各陣営は1ターンに、ある駅から次の駅までの1区間のみ、以後自軍が使用できる"開通"している線路とすることができます。この為にはその駅から次の駅までの全ての線路ヘクスを自軍ユニットが最後に占めていなければなりません(移動によって通過しただけでも構いません)。 8.72 鉄道輸送 両軍ともゲーム開始時に「汽車(Train)」を自軍大都市に配置します。そのシナリオにおいてプレイヤーは規定のWEP〔14.14参照〕を支払って1つまで汽車を追加することができます。一つの汽車は各インパルスにつき1WEPを消費することで、北軍なら1個師団まで、南軍なら4個旅団までを積載して線路沿いに最大6駅まで運搬することができます(この際、指揮官は何人でも便乗できます)。乗車および下車するユニットは、インパルス開始または終了時に駅ヘクスにいなければならず、鉄道移動を行なったインパルス中は通常移動も強行軍も実施できません。 1WEPを支払って移動中の汽車は、最大6駅までという制限を守る限り、途中駅で自由に部隊や指揮官を拾ったり降ろしたりすることができます。ただしこの場合、汽車を利用する部隊や指揮官は他の移動を一切行えません(同一インパルスに通常移動で駅まで行き、そこで汽車に乗って更に遠くへといったリレー移動を禁止するものです)。 8.73 鉄道移動の制限 汽車及び鉄道輸送中のユニットは敵ZOCに進入することができません。もし線路が敵ユニットまたは敵ZOCにより遮断されている場合、その手前の駅までしか移動することができません(汽車は駅以外で移動を終えることができません)。1インパルス中に各部隊は、鉄道移動と通常移動(強行軍含)を組み合わせて使うことができません(リレー移動禁止)。なお補給馬車や非活性化指揮官が率いる部隊は汽車に乗れません。また雪や吹雪のターンには汽車は完全に移動停止となります。それ以外の地形や天候は鉄道移動に影響を与えません。汽車マーカ自体は戦闘力を持っておらず、汽車が単独でいるヘクスに敵戦闘ユニットが進入した場合、その汽車は鹵獲〔8.64〕されます。 8.74 盤外鉄道移動(選択ルール)  大局的観点から両軍とも鉄道を利用した盤外移動を行えます。あるインパルスにおいて自軍盤端線路から汽車に乗って盤外離脱したユニットは、2ターン後の自軍第1インパルスにおいて、盤外離脱したのと同じ盤端にあるいずれかの自軍線路から汽車に乗って再進入することができます。また離脱した盤端とは異なる盤端の自軍線路から再進入する場合、3ターン後の自軍第1インパルスに登場します。  北軍にとって地図北端は常に自軍盤端と見なされます。南軍の場合1861年中は西端、東端、南端とも自軍盤端と見なされますが、北軍によってメンフィスが占領されると西端を自軍盤端とすることができなくなります。同じくクノックスヴィルが北軍に占領された後は東端も自軍盤端でなくなります。ただし南端だけは物理的に封鎖されない限り、南軍盤端として使用できます。 8.8 北軍架橋工兵 北軍工兵だけが架橋を行えます。北軍工兵は大河川渡河の為に浮舟橋を架けたり、それを撤去したりできるのです。 8.81 北軍浮舟橋 事前に「浮舟橋(Pontoon Bridge)」マーカを購入し、それとスタックしている北軍工兵ユニットは、共通する同一の大河川ヘクスサイドを挟んで隣り合う対岸に架橋することができます。"架設"されていない浮舟橋は補給馬車(Wagon)のように8MPで単独移動することができます。一旦"架設"された浮舟橋は撤去されるまで移動できなくなります。 a.架橋するには、工兵ユニットと浮舟橋とがスタックしていなければなりません。任意のインパルスに北軍軍司令官は管理ポイントを消費(コストは1AP)することで工兵ユニットを"作業中(at work)"面に裏返します。その工兵カウンターはスタックの1番上に配置します。次のインパルスに、浮舟橋マーカを"架橋"面にし、橋を架けた川の対岸に矢印を向けて配置します。架橋を終えた工兵は表面に戻されます。なお浮舟橋は友軍戦闘ユニットの占めていない敵ZOCに対して、または河川砲台や河川砲艦の制圧ヘクスサイドを越えて架橋できません。浮舟橋が架かるどちらかの川岸ヘクスが敵に占領されると浮舟橋は除去されます。また架設されていない浮舟橋は、それがスタックしている戦闘ユニットが退却するか全滅すると除去されます(単独でいて敵に踏まれた場合も除去)。 架橋された浮舟橋を利用して大河川を渡河する場合の移動力消費は「浅瀬」と同じになります。 b.架橋された浮舟橋を撤去するには軍司令官が管理ポイントを消費(コストは1AP)して、架設するときと同様の手順で行ないます。 8.9 河川砲艦の行動 限定的ながら河川艦船の運用は重要なゲームの肝となっています。なお本作では輸送船や甲鉄艦などもひっくるめて河川砲艦(ガンボート)として一元化しています。河川砲艦は、以下に示す4つの活動のうちいずれか1つを各インパルス中に実施できます。 1).揚陸作戦(北軍のみ) 2).哨戒封鎖 3).艦砲射撃 4).水上戦 なお3)と4)については個々の戦闘ルールを参照。また5つ目の任務として北軍だけが行える河川輸送がありますが、これは活動インパルスを介さずに再編成セグメントの海軍シークエンスだけで行われる為、別格扱いとします。 8.91 河川砲艦の移動 河川砲艦は利用可能な大河川ヘクスサイド上を移動力無限で自由に移動できます。利用可能な大河川ヘクスサイドとは、その時点で通過不能の地形〔5.25〕及び敵河川砲台や河川砲艦の制圧ヘクスサイド以外を言います。 a. 河川砲艦には、大河川ヘクスサイド上での位置を表わすために矢印が付いています。大河川上では、この矢印が指すヘクスサイドにその河川砲艦が存在するものと見なします。大河川上にある河川砲艦は、敵河川砲艦と架橋に対して有効な制圧範囲を伸ばしています。その範囲は、河川砲艦が存在するヘクスサイドから分岐する4つのヘクスサイドです(英文ルールp.16の図例参照)。敵制圧範囲に進入した河川砲艦は移動を停止し、必ずその敵河川砲艦または河川砲台を攻撃しなければなりません。 8.92 揚陸作戦 北軍の河川砲艦だけが、大河川の沿岸に位置する村落、町、大都市ヘクスに対して揚陸作戦を行えます。各河川砲艦につき1戦闘ユニット(+1補給馬車まで)を、規模に関わらず乗船させる事ができます。この際指揮官は何人でも便乗できます。ただし減少戦力面の河川砲艦は揚陸作戦に使用することができません。 a. 河川砲艦に乗船する地上ユニットは、そのインパルスの開始時に大都市港か、上陸堡(Naval Landing)にいなければなりません。そこで乗船を終えた河川砲艦と部隊は、軍編成表上にある揚陸作戦進捗表(Naval Assult Display)の"Any Impulse Turn 1"ボックス上に移されます。次にそのターンの再編成セグメントの海軍シークエンスに、それらは"Reorganization Segment Turn 1"ボックスに移されます。そして次のターンの海軍シークエンスにおいてそれらは" Reorganization Segment Turn 2"ボックスに移され、揚陸作戦が実施される可能性がある事を相手側に宣言したなら薄紅色の" Available for Assault Impulse After Turn 2"ボックスに移されます。 b. 揚陸作戦は" Available for Assault Impulse After Turn 2"ボックスに陸兵を搭載した河川砲艦が存在する、任意の北軍インパルス中に実施できます。揚陸作戦は、大河川の沿岸に位置する村落、町、大都市ヘクスに対してのみ実施できますが、そこが敵ZOC、敵塹壕(有人状態〔14.83〕含)、または河川砲艦/砲台の制圧範囲内ではいけません。なお部隊は河川砲艦から下船するためにインパルス中の全移動力を必要とします(下船したそのインパルスには一切移動できません)。 c.揚陸作戦ディスプレイ上の河川砲艦は実際に地図上で移動させることなく、利用可能な大河川ヘクスサイド沿いにある揚陸地点に直接置かれます。なお河川砲艦に乗船中の戦闘ユニットは揚陸作戦ディスプレイ上にある間は常に完全補給下にあって、消耗判定〔13.4〕も免除されます。 8.93 哨戒封鎖 北軍河川砲艦は自身が存在するヘクスサイドから下流に10ヘクスサイド、上流に6ヘクスサイドまでの哨戒封鎖範囲によって「南軍渡船場ヘクスサイド〔8.24.a〕」を利用禁止にできます。対して南軍河川砲艦は、同様の哨戒封鎖範囲内にある「北軍浮舟橋ヘクスサイド〔8.81〕」を利用禁止にできます。ただし地図上に印刷された正規の大河川橋梁を通行不能にする能力はありません。 8.94 大河川の上流・下流 地図上の大河川には全て源流(headwather)印が記載されています。従って大河川は源流に近づく方向が上流、そこから遠ざかる方向が下流と見なされます。 9.0 戦闘準備シークエンス この戦闘準備シークエンスは防御側が、続く戦闘シークエンスで敵が攻撃してくるのに備えてリアクション移動を試みたり、防御支援したり、戦闘前退却したりする段階です。 9.1 リアクション移動 HQユニットとスタックしている活性化指揮官は、その機動値(MR)に等しいヘクス数の範囲内に攻撃される友軍部隊がいる場合(自身が攻撃される場合も含む)、その指揮範囲内にある活性化している従属指揮官にリアクション移動を行わせる試みができます。 また活性化指揮官の部隊が塹壕内に居るとき、またはその部隊が騎兵軍団である場合は司令官の指揮範囲外であったとしても独断でリアクション移動を試みることができます。 リアクション移動を試みる指揮官自身は管理ポイントを消費する必要はありませんが、リアクションしてきた部隊を受け入れる(スタックする)防御部隊の指揮官と、機動値を使ってリアクションを試みた司令官は、管理ポイントを消費(1AP)しなければなりません。 9.11 リアクション移動の手順 ある部隊をリアクション移動させるには、ダイスを1つ振って、それを試みる司令官の機動値(MR)以下を出さなければなりません。出目が機動値(MR)以下だったなら、その司令官の機動値(MR)に等しいヘクス数まで部隊をリアクション移動させられます。リアクションを行うスタックは補給馬車(Wagon)や工兵等とスタックしたまま、それらを引き連れてリアクション移動できます。 HQユニットとスタックしている司令官は、自身の管理ポイントを消費(1AP)することにより、リアクション移動をさせたい従属指揮官に対して、自分の機動値(MR)を、リアクション移動の成否判定とリアクション移動可能ヘクス数の換算とに使わせることができます。 a.リアクション判定に成功した部隊は、自身の管理ポイントを消費(コストは1AP)することで、その編成ボックスからリアクション移動させたい部隊だけを分遣することができます。 9.12 リアクション移動の制限 1つのリアクション移動が終了するまでは、他のリアクション移動は実施できません。敵ZOC内に居るユニットは、リアクション移動できません。この様な部隊が行えるのは、唯一防御支援だけです。非活性化指揮官は、活性化を実施(司令官が管理値(1AP)を消費することで、リアクション移動が可能となります。 9.13 リアクション移動の実行 リアクション移動する部隊は、進入禁止地形には移動できず、大河川も橋か浅瀬でなければ渡河することができません。ただしリアクション移動は移動力を消費するのではなく、指揮官の機動値(MR)がリアクション移動できるヘクス数となります。原則としてリアクション移動で最後に進入するヘクスは、次の戦闘シークエンスで攻撃を受ける友軍部隊がいるヘクスでなければなりません。それ以外には防御支援〔9.14〕の位置に移動できる場合にのみリアクション移動が許されます。 攻撃対象の友軍とスタックする際には、通常のスタック制限に従ってください。例えば移動の最後のヘクスに同ランクの指揮官がいるならば、HQユニットをもつ部隊がいなければスタックできません。 リアクション移動を実施した部隊と攻撃を受ける部隊とを統合するには、攻撃の宣言を受けている部隊の司令官が管理ポイントを消費(1AP)しなければなりません。 a.攻撃を受ける部隊と、リアクション移動してきた部隊とがスタックした場合、戦闘解決にあたってそれらの戦闘力、砲兵力は全て合計されます。 c. リアクション移動する部隊は、攻撃の宣言を受けている友軍のいるヘクスまで行けなくとも(MRの不足、スタック制限等により)、後述する方法により防御戦闘の支援を試みることができます。 9.14 防御戦闘の支援 攻撃を受けるヘクスにリアクションで後詰めに入るのとは別に、既にまたはリアクション移動によって、攻撃を受ける友軍部隊とそれを攻撃する敵部隊の両方とに隣接している友軍部隊は、攻撃を受ける友軍部隊にその戦力と砲兵力の半分(端数切上)までを付加することができます。これを「防御支援」と呼びます。この様なポジションに位置する友軍部隊は、補給廠(Depot)や北軍工兵旅団であってもその戦力の半分を防御部隊に付加できます。原則として防御支援を行える位置にいる部隊は、その戦闘力と砲兵力の半分(端数切上)を、攻撃を受ける防御部隊の戦闘力、砲兵力にそれぞれプラスすることができます。ただし橋梁や浅瀬のない大河川を挟んでの防御支援では半減砲兵力のみ加算されます。 a.リアクション移動を行うまでもなく既に攻撃を受ける友軍部隊と、それを攻撃する敵部隊とに隣接している防御側の部隊は、それ自身が攻撃の目標になっていない事を条件に自動的に防御支援を行えます。 9.15 防御支援の制限 隣接する友軍または敵軍のどちらかまたは両方が、橋梁や浅瀬のない大河川の対岸にいる場合、その防御支援は半減した砲兵力しか加算できません(砲兵力以外の地上戦力は一切支援に使えないと言うことです)。また防御支援を行う騎兵ユニットは戦闘修正の際、騎兵優劣判定〔10.43〕の騎兵ユニット数にはカウントできません。なお防御支援を行った部隊には、ステップロスや退却、戦意チェック等の戦闘結果は一切適用されません。 9.2 戦闘前退却 攻撃を受ける部隊の内、戦闘を望まないものは戦闘前退却を行って敵の攻撃を回避することができます。なお全てのリアクション移動の試みは、戦闘前退却の前に実施しなければなりません。 9.21 戦闘前退却の制限 以下の条件を満たす防御側部隊は戦闘前退却を行えます。 1).活性化指揮官が率いるスタックで攻撃の目標となっている。 2).敵ZOCではない、退却可能な隣接ヘクスがある。 3).戦闘前退却を望むスタックの司令官の戦意(ML)が、それを攻撃する敵部隊の司令官の戦意より高いか、または退却を望むスタックの方が騎兵ユニットの合計戦闘力が高い。 4).戦闘前退却を望むスタックの司令官(のみ)が、その戦意(ML)を1レベル低下させることができ、かつ元いたヘクスに殿部隊を残していける。 a.上記の条件を満たせない場合は戦闘前退却を行えません。 例外:1861年中は両軍とも戦闘前退却を行うことができません。1862年中の南軍は1)と3)の条件を満たしていれば退却時の戦意減少を無視できます(ただしこの場合も殿部隊の残置は必要です)。1863年中の南軍は3)と4)の条件を無視して戦闘前退却を行えます(退却時の戦意減少も無視し、殿部隊の残置も必要なくなります)。 9.22 戦闘前退却の手順 戦闘前退却は1ヘクス退却します。ただし退却するスタックは原則として、1個以上の戦闘ユニットを殿部隊として元のヘクスに残置しなければなりません。この殿部隊に指揮官を付けるかどうかは自由意志に任されます。この際もし部隊を編成ボックスから出して殿としなければならないなら、その為に司令官は管理ポイントを消費(1AP)しなければなりません。 攻撃側は残置された殿部隊を攻撃しなければなりません。ただしこの際、攻防の戦力を比較して攻撃側が殿より20倍以上の戦力を有していれば殿を自動的に除去(蹂躙)して戦闘後前進し、戦闘前退却した敵に対して攻撃を仕掛けることができます〔9.23〕。 例外:もし攻撃を仕掛ける側が一切騎兵を持たず、戦闘前退却を行うスタックが騎兵だけで構成されているなら、殿を残す必要はありません。この場合攻撃側は単純に、敵が戦闘前退却でカラにしたヘクスへ戦闘後前進するだけです。 9.23 殿を蹂躙して戦闘前退却した敵を追撃 原則として敵が戦闘前退却を行っても、攻撃側は残された殿部隊を攻撃しななければなりません。ただし攻撃側は残された殿部隊と戦力を比較して、もし20倍以上あれば自動的にその殿部隊は除去され(もしいれば指揮官は捕虜となります)、殿部隊がいたヘクスに直ちに戦闘後前進を行って、先に戦闘前退却した部隊に対し(新たな管理値の消費や攻撃実施判定なしで)攻撃を行なわなくてはなりません。 9.24 指揮官の捕獲 殿部隊と共にあった指揮官は、殿が除去されると自動的に捕虜となります。もしこの指揮官と共にHQマーカがあれば、HQマーカは防御側に返却され予備指揮官プールに置かれます。なお捕虜となった指揮官が有していた砲兵力や弾薬補給ポイント(Ammo Supply Point)は自動的に除去されます。 10.0戦闘シークエンス 「攻撃(Assault)」マーカが置かれた部隊と、その目標となっている敵部隊との間で戦闘は必ず解決されなければなりません。もし防御支援が行われるなら、支援を行う部隊の半分の戦力/砲兵力も計算に入れて戦闘結果を出さなければなりません。 10.1戦闘の方法 以下で述べる攻撃側とは「攻撃(Assault)」マーカを載せたスタックを指し、防御側とはその「攻撃(Assault)」マーカの矢印が指し示す相手側のスタックを指します。 10.11戦闘の手順 戦闘解決は、全てこの戦闘シークエンスで行なわれます。全ての攻撃は1ヘクス毎に解決されます。解決の順番は手番側プレイヤーがその都度自由に指定し、手順に従って解決していきます。なお同一の防御側スタックを複数の攻撃側スタックが攻撃する場合でも、それらは戦力を合計して一斉に攻撃を行なうのではなく、1スタック対1スタックの形で各個に戦闘を解決しなければなりません。 個々の戦闘解決にあたっては、まず初めに攻撃側スタックの戦闘力合計を算出し、次に適用される全てのコラムシフトとダイス修正を求めます。そして射撃戦闘結果表(Fire Exchange Results Table:FERT)に従ってサイを振り、防御側に適用される戦闘結果を求めます。防御側も同様に、戦力合計、コラムシフト数、サイの目修正を算出し、FERTで攻撃側に与える戦闘結果を求めます。なお戦闘解決は同時に行われるものとし、戦闘結果は同時適用されます。こうして一連の解決手順を、攻撃マーカ毎に繰り返していきます。 10.12 砲兵力発揮の為の弾薬消費 攻撃側と防御側の指揮官は、自身が持つ砲兵力を戦闘修正とする為には弾薬補給ポイント(Ammo Supply Point)を1ポイント消費しなければなりません。この弾薬消費は必ず戦闘解決のダイスを振る前に支払わなければなりません。砲兵を戦闘修正として使わないなら、弾薬補給ポイントを支払う必要はありません。ただし攻撃側、防御側ともそのスタックを率いる司令官は、必ず総合的な弾薬消費として砲兵力の使用に関わらず追加で1弾薬補給ポイントを消費しなければなりません。弾薬補給ポイントを消費した指揮官は自身の編成ボックスで管理している弾薬ポイントを減少させます。 例:軍司令官は軍直轄砲兵を2、配下の3人の従属指揮官は、それぞれ砲兵力を3持っている場合、3人の従属指揮官は、弾薬補給ポイントを1づつ消費すれば、その砲兵力を全て使用できます。この際、軍司令官は軍直轄砲兵力2を使用するために1ポイント、全体としての戦闘補給の為に更に1ポイント、計2弾薬補給ポイントを消費しなければなりません。 註:プレイヤーは一部の指揮官に砲兵力を集中させ、それに過剰な弾薬補給ポイントを与えて運用させる事もできます。だからと言って必ずしも有利になるとは限りません。 a. 波状攻撃〔10.33参照〕を受ける防御側スタックは、それぞれの解決時に砲兵力を活かすにはその度毎に1弾薬補給ポイントを消費しなければなりません。この場合、波状攻撃とは言ってもそれは一つの戦闘ではなく、独立した個々の戦闘解決と見なされるのです(ただし戦闘結果の適用は全ての波状攻撃を解決してからになります)。 b.部隊に弾薬補給ポイントがあったとしても、戦闘に砲兵を使用しなくてもいいと判断したなら弾薬補給ポイントを消費しなくても構いません。ただし戦闘解決の際に1弾薬補給ポイントも有さない部隊の戦闘力は半分(端数切上)となり、当然ながら砲兵力を使用することもできません。 10.2 各種戦闘力修正 両軍とも射撃戦闘結果表(Fire Exchange Results Table:FERT)に従って戦闘を解決する際、以下の状態により各種の戦闘修正が施されます。 10.21 非活性化指揮官 非活性化指揮官の部隊は、戦闘力と砲兵力が半分(端数切上)となります。防御側の司令官が非活性化指揮官なら、そのスタックの戦闘力と砲兵力は半分(端数切上)となります。攻撃側の司令官が非活性化指揮官ならそのスタックと防御側スタックとの間で戦闘は解決されません(攻撃は行われません)。 10.22 強行軍 そのインパルスに強行軍を行なった部隊は、戦闘力と砲兵力が半分(端数切上)となります。 10.23 弾薬補給ポイントの消費 弾薬補給ポイント(Ammo Supply Point)の状態は、部隊の戦闘力に以下の影響を与えます。 1).砲兵修正を得る為〔10.12〕に1弾薬補給ポイントを消費すれば、その指揮官の率いる部隊の戦闘力と砲兵力は通常通り使用できます。 2).弾薬補給ポイントを有しているが敢えて消費しなければ、戦闘力は通常通り使用できますが、砲兵力は一切発揮できません。 3).全く弾薬補給ポイントを有していない場合、その部隊の戦闘力は半分(端数切上)となり、砲兵力は一切発揮できません。  なおそのスタックを率いる司令官は、砲兵力とは別に総合的な弾薬消費の為に必ず追加で1弾薬補給ポイントを消費しなければなりません。それができなかった場合、そのスタック全体の戦闘力は半減されます(端数切上)。 10.3 各種コラムシフト 両軍とも以下の条件により射撃戦闘結果表(FERT)で使用する戦力コラムのシフトを行なうことができます。不利なコラムシフトは左へ、有利なコラムシフトは右へずらされます。 10.31 戦意(ML)の優越 戦闘解決時に両軍は自分の部隊(指揮官がいれば司令官、いなければ戦闘ユニット)のMLを確認します。相手より高いMLを持つ側は戦闘解決時のFERTのコラムを右へ1シフトできます。波状攻撃の場合もあくまで1対1で射撃を応酬し合うスタック単位でMLの優劣を判定します。 10.32 地形 各地形によるコラムシフトは地形効果表(Terrain Effects Chart:TEC)に記載されています。地形によるシフトは全て射撃側に不利なコラムシフト(左シフト)として適用され、また複合する地形シフトは全て累積します。本作はお互いが同時に射撃を応酬し合う「ファイア・パーワー方式」なので、攻撃側と防御側は地形によるコラムシフトをそれぞれが射撃を行う際に適用します。射撃を受けるスタックが存在する地形がコラムシフトを決定します。なお河川を挟んで攻撃戦闘が行なわれる場合は、攻撃側、防御側の両者に対してコラムシフトが適用されます。 例:防御側が大都市でなおかつレベル1塹壕にいるのに対し、平地に位置する攻撃側は大河川の浅瀬越しにこれを攻撃したとします。この場合、攻撃側の射撃には5コラムシフトが適用されます(大都市2、塹壕1、大河川浅瀬ヘクスサイド越し+2の計5シフト)。一方防御側が撃ち返す射撃には2コラムシフトが適用されます(平地は0なので、大河川浅瀬ヘクスサイド越しの2シフトのみ)。 a.戦術思想(選択ルール):南北戦争では人工建造物に立て籠もって戦うという防御思想がありませんでした。また河川越しに攻撃する場合、今で言う強襲渡河という形ではなく、対岸に部隊を渡らせた後に隊伍を整えて攻め寄せる方式を採っていました。これを再現して例えそのヘクスに町や大都市が存在しても地形シフトには換算できなくなります(戦闘に関して大都市は平地と見なされます)。また小河川越し、または大河川の橋梁や浅瀬ヘクスサイド越しに攻撃が行われる場合、その渡河シフトは防御側にのみ適用され、攻撃側が防御側によって射撃される際には適用されません。 10.33 波状攻撃 同一目標に対して2つ以上のヘクスから攻撃する場合、それは「波状攻撃」と見なされます。この場合攻撃側は、同一目標に対する2度目以降の射撃解決時に有利な1コラムシフトを得られます。ただしこの波状攻撃シフトは何ヘクスから攻撃しても1シフトしか得られません。 逆に防御側は2回目の攻撃に対して撃ち返す際、不利な左1シフトが適用され、3回目の攻撃に対して撃ち返す際は左2シフト、4回目は3シフトとだんだんに増加していきます(理論上全周6ヘクスから攻撃された場合、最大左5シフトに達する可能性があります)。 10.4 各種サイの目修正 両軍とも以下の条件により射撃戦闘結果表(FERT)で使用する出目に加減を行なうことができます。不利な出目修正はマイナス方向へ、有利な出目修正はプラス方向へずらされます。なおこれらの出目修正は全て累積します。 10.41 指揮官の戦闘修正値(BR) 戦闘解決の出目にそのスタックの司令官の戦闘修正値(BR)をプラスできます。この修正は例えそのインパルスに強行軍をしていても、補給切れでも貰えます。ただし戦闘修正値を適用できるのは司令官だけで、そのスタックにどれだけ従属指揮官がいてもそのBRは一切使用することができません。 a. 管理ポイントを消費(コストは1AP)できずに攻撃実施判定を行った結果として攻撃が行なわれる場合、それは「拙速」攻撃と見なされて戦闘解決時に不利な−2サイの目修正が適用されます 10.42 砲兵力 射撃に参加する指揮官が弾薬補給ポイント(ASP)を1ポイント消費することで、それが有する砲兵力の数だけ射撃解決の出目にプラスできます(この修正に限度はありません。20砲兵力使えれば+20と言うわけです)。 a.河川砲艦は川岸ヘクスに対して艦砲支援〔10.83〕を行なえます。河川砲艦の右下に記載された艦砲支援値がそのまま出目にプラスされるのです。 10.43 騎兵戦力の優越 戦闘時に、より多くの騎兵戦闘力を有する側は騎兵優越を得ているとして射撃解決の出目に+3することができます。これを判定する際には攻撃側と防御側がそれぞれの騎兵ユニットの戦闘力合計を求め、それを比較して差を求めます。 さらに、騎兵戦力が少ない側は優越側との騎兵ユニット数の差と同じ分だけ射撃解決の出目からマイナスされます。この際、戦力的には負けていても騎兵ユニット数では優越側と同数かまたはより多い場合はこれによるマイナス修正は受けません。なお防御支援のスタックに含まれる騎兵は、この騎兵戦力判定にカウントされることはありません。 また戦闘結果による退却時にも騎兵優越判定を行うことがあります。 10.44 戦意崩壊の影響 戦闘に参加している部隊の中に戦意崩壊ユニットが1つある毎に、射撃解決の出目から−1されます(この修正に限度はありません。20ユニットあれば−20と言うわけです)。 各戦闘ユニットの右下には、その戦意(ML)が記載されています。その戦意がそれを直接率いている指揮官のMLを越えているユニットは"戦意崩壊(Broken)"したとみなされます。これらのユニットは編成ボックスの戦意崩壊(Broken)ユニット部分に置き直しされます。その為プレイヤーは戦闘解決後に全指揮官の戦闘ユニットについて、戦意崩壊が発生していないか入念にチェックしておく必要があります。 10.45 天候の影響 「雨(Rain)」または「泥(Mud)」ターンには、攻防とも射撃解決の出目から−1されます。吹雪(Blizzard)ターンには、攻防とも射撃解決の出目から−4されます。 10.46 シナリオによる凄絶戦闘修正 アメリカ南北戦争の特徴とも言える高い死傷率を再現する為、各シナリオには+3から8までの「凄絶戦闘修正(FERT Offset)」が規定されています。これにより西部戦域の少ない部隊同士の戦いでも一定の戦果が見込めることになります。この凄絶戦闘修正(FERT Offset)はシナリオ期間中を通じて自動的に他の出目修正に加えられます。また攻防の区別無く、全ての射撃解決に常時適用されます。 10.5 修正の累積 全てのコラムシフト及びダイス修正は累積します。ユニットの戦闘力半減の効果も重複適用されます(戦闘力半減の要件が2つ重なれば戦闘力は4分の1となるわけです)。 10.6 最終的な戦闘解決 射撃戦闘結果表(FERT)における最終的な使用コラムと出目修正を算出後、両プレイヤーは"射撃戦闘"を解決します。その解決手順は以下の通りです。 10.61 戦闘解決の手順 射撃戦闘結果表(FERT)の最終的コラムに従って攻撃側は6面体サイコロを1つ振り、これに出目修正を適用します。使用コラムと修正後の出目が交差した欄にはその射撃を受けた防御側スタックの被るステップロスと退却の度数が表示されています。またその他にも司令官の戦意チェックの有無、砲兵力損失の有無、指揮官の死傷が求められることもあります。同じく防御側も同様の手順で、攻撃側に与えた戦闘結果を求めます。なお原則として同時射撃/同時適用ですから、攻防とも射撃の応酬が終わるまで一方的に損害を被ることはありません。 a.ステップロスをどのユニットに適用するかは両軍が決める事があります〔10.63〕。この際、他のユニットを差し置いて特定のユニットに損害を集中させることはできません。原則として全てのユニットが1ステップロスを被った後でないと、2ステップロス目を特定のユニットに適用することはできません。 b.ステップロスを適用した後、続いて戦意の上昇(相手に与えた損害の方が大きい場合)→戦意チェック→指揮官死傷チェック→砲兵力損失の順で実施します。 d. 攻防とも、お互いが被った退却度数を相殺します。実際に現在位置から退却しなければならないのは、相殺後プラスの退却度数が残った側だけです。また退却しなければならないヘクス数は、相殺後プラスとなった数に等しいヘクス数となります。相手スタックを退却させた部隊は、その相手が占めていたヘクスに戦闘後前進することができます(戦闘後前進は移動と見なされません)。また戦闘後前進では、司令官の管理ポイントを消費することなく、配下の部隊やユニットを前進ヘクスに分遣することが許されます。 なお両軍の退却度数を相殺した結果がゼロだった場合、両軍とも退却せずに接敵したまま現在位置に残ります。なお波状攻撃を実施した場合、最終的に防御側に与えた退却度数より大きい退却度数を受けた攻撃側は波状攻撃を行った全スタックが退却しなければなりません〔10.62〕。 d. 退却する際、敵ZOCに踏み込む事による司令官の戦意(ML)低下、追加ステップロス等が発生することがあります。それらが済んでようやく一つの戦闘解決が終了したと見なされます。 10.62 波状攻撃の特殊性 一つの波状攻撃の結果適用は、同一の目標に対する一連の波状攻撃の結果を累計し、1つの戦闘結果としてまとめて適用します。退却度数の相殺も全て合計したものを使用して差し引きします。防御側が被るステップロスも全て合計して適用されます。ただし退却を除いて攻撃側が被った戦闘結果は個々の射撃毎に適用されます(被ったステップロス等を合計して波状攻撃に参加した全スタックに割り振るのではないと言うことです)。 これらの事から波状攻撃の際は、お互いの戦闘結果を紙片に書き留めておくことをお勧めします。 10.63 ステップロス 戦闘ユニット(歩兵/騎兵/北軍工兵旅団)だけがステップを有しています。その他のユニット(指揮官/補給馬車/補給廠/汽車/河川砲艦)はステップを持たないので、戦闘結果で強いられるステップロスを満たすのに使えません。 多くの戦闘ユニットが完全戦力面と減少戦力面という2ステップを有しています。それらのユニットがステップロスを適用されると、裏返して減少戦力面を向けます。既に減少戦力面であるユニットが新たにステップロスを適用されると全滅したとして地図上から取り除かれます。当然1ステップしか持たないユニットは、最初に受けたステップロスで除去されます。 防御側が受けた全てのステップロスは、そのヘクスにいるどの部隊にも適用できます。ただし攻撃側が受けたステップロスは、同じヘクスに他の部隊がいたとしても、実際にその防御側部隊を攻撃した部隊のユニットにしか適用できません。 a.戦闘結果で求められたステップロスの内、奇数分はそれを被った側がどのユニットに適用するか決め、偶数分は相手側がどれに適用するか指定できます。例えば射撃戦闘結果として防御側が6ステップロスを被ったとすると、1・3・5番目(要は3ステップ分)の損害は防御側が適用ユニットを指定し、2・4・6番目(3ステップ分)の損害は攻撃側が適用ユニットを指定することになります。この際、他のユニットを差し置いて特定のユニットに損害を集中させることはできません。原則として全てのユニットが1ステップロスを被った後でないと、2ステップロス目を特定のユニットに適用することはできません。 b.もしステップロスの結果全ての戦闘ユニットが除去された場合、その部隊の指揮官ユニットは捕虜になったと見なされてゲームから除去されます。ただし一緒にあったHQ、北軍軍団マーカは返却されて指揮官プールに置かれます。なおその指揮官が持っていた砲兵力や弾薬(ASP)は全て失われます。 10.64 戦意レベルの変動 純粋な射撃戦闘結果として相手により多くのステップロスを与えた側は、参加した全ての指揮官の戦意(ML)を1レベル上昇させることができます。この判定の際には戦意チェック失敗に伴う追加ステップロス〔10.65〕はカウントできません。 10.65 戦闘後の戦意チェック 射撃戦闘結果表(FERT)に"アスタリスク"が付いた結果を受けた部隊の司令官は、戦意チェックを行なわなければなりません。戦意チェックは前述した戦意昂揚後〔10.64〕のMLで実施されます。 6面体サイを1つ振って出た目が司令官のML以下なら、戦意チェックは成功です。もし戦意チェックに失敗した場合は、その部隊は1ヘクス退却し、司令官のMLを1レベル減少させた上に(なお従属指揮官の戦意がこれによって減少することはありません)、追加で1ステップロスの損害を出さないといけません。 これらの結果は、その他の戦闘結果に追加して適用されます。例えその戦闘に勝ち、MLが上昇していたとしても適用されるのです(相手を退却させて戦闘後前進したのに戦意判定に失敗して退却するなんて事も起こり得ます)。 例外:指揮官死傷チェックでもしも司令官が戦死した場合、新たな司令官はこの戦意チェックを無視することが許されます。 10.66 砲兵の損害 射撃戦闘結果表(FERT)の出目(修正前)で1を出した側は、その戦闘に使用した砲兵力を失うかどうか判定しなければなりません。それを判定する為に6面体サイを1つ振り、4か5の目が出すと砲兵力を使用したいずれかの指揮官から1砲兵力を減少させます。もし6の目を出すと単に1砲兵力を失うだけでなく、その1砲兵力は相手側の部隊に鹵獲される事になります。この場合、相手側はその戦闘に参加した指揮官のいずれかの砲兵力を1増加させられます。 ただしこれらの結果も戦闘解決後に適用されるので、鹵獲した砲兵力を同じ戦闘で使用することはできません。 10.67 指揮官の死傷 射撃戦闘結果表(FERT)の出目(修正前)で6を出した側は、指揮官の死傷判定をしなければなりません。部隊にいるそれぞれの指揮官について6面体サイを1つ振り、6の目が出したならその指揮官は戦死したものとしてゲームから除去されます。これが5の目だとその指揮官は負傷します。この場合、負傷の度合いを決定する為にもう一度サイを振り、6なら結局傷が重すぎて死亡、5以下の目ならそれが負傷の度合いとなります。この場合、直ちに指揮官の負傷度を表わす為に用意されている負傷マーカをその指揮官に配置します。負傷した指揮官の各能力値は負傷度に等しい分だけ減少します。 例:機動値が"5"の指揮官が−2の負傷を被った場合、その機動値は"3"と見なされます。 a.指揮官の負傷は、その度合いに等しいターン数だけ継続することになります。ただし負傷度は各ターンの管理シークエンスに1レベルずつ回復します。傷の回復は指揮官が指揮官プールにいても行ないます。 b.この死傷判定の結果、指揮官が死亡した場合、そのインパルスがそのターンの最終インパルスでなければその部隊の指揮官は10戦費ポイントを消費〔14.61のb1〕して直ちに補充されます。もしそれがターンの最終インパルスに指揮官が死亡したのなら、指揮官の補充は再編成セグメントに行なわれます。 10.68 退却 部隊の退却は、その時点で騎兵優越を得ているプレイヤーが行います。どちらも騎兵優越を得ていない場合は、退却する側がその退路を決定できます。退却は必ず補給源または補給中継点に向かって行なわれなければいけません。また可能な限り敵ZOCを避けなければなりません。なお進入禁止地形や、橋または浅瀬のない大河川を越えて退却を行なうことはできません。もし敵ZOCを通ってしか退却できない場合、その部隊の司令官の戦意(ML)を1レベル低下させ(複数の敵ZOCを通過してもML低下は1だけ)、敵ZOCに1ヘクス進入する毎に1ステップロスを失わなければなりません。ただし敵戦闘ユニットが存在するヘクスに退却することはできません。地形や敵ユニットの存在により退却できない部隊は、全て除去されます。相手を退却させた部隊は、その相手がいたヘクスに戦闘後前進できます〔10.61.c参照〕。 10.7 延長戦闘(発展ルール) そのインパルスにおける戦闘シークエンス終了時に、全ての損害や退却を適用したにも関わらず敵部隊と隣接している部隊がある場合、どちらか一方のプレイヤーが2回目の戦闘を望むなら、そのプレイヤーが残している作戦レベルの内1レベルを支払う事によって特殊な「延長戦闘(Extended Battle)」を行うことができます。 10.71 延長戦闘の手順 手番側プレイヤーが先に延長戦闘実施の選択を行なえます。手番側がそれを望まなかった場合は、非手番側がその実施を選択できます。ただし延長戦闘は1回までしか行えません。この延長戦闘では両プレイヤーともリアクション移動で新たに友軍部隊を接敵させる事ができます。 このリアクション移動で敵に友軍部隊を隣接させるには、既に接敵済みで攻撃実施の為に管理ポイントを消費(1AP)している友軍部隊とスタックするのでない限り、必ず管理ポイントを消費(1AP)できなければなりません。その限りにおいて延長戦闘でリアクション移動を行う部隊は接敵する場所や複数ある敵ヘクスの内どれを攻撃するかを任意で選択することができます。なお延長戦闘においてはリアクション以外の移動は行われません。延長戦闘でもリアクション移動の為に離れた場所にいる軍司令官の機動値や管理値を使うことができますが、管理ポイントを消費(1AP)しさえすれば攻撃実施判定を行う必要はありません。 非手番側が延長戦闘を選択したなら、非手番側が攻撃側となって戦闘を解決します。延長戦闘では、先の戦闘で消費した弾薬補給ポイントとは別に新たな消費が必要となります(司令官の総合消費または砲兵力の使用を望む場合)。延長戦闘では両軍とも新たに戦力、コラムシフト、出目修正を再計算します。原則として先の戦闘の各修正を持ち越す事はできません。 例外:もし手番側が延長戦闘を選択したのなら、先の攻撃の際に得た波状攻撃に伴う1シフトを受け取ることができます。 ▼包括的な戦闘例(英文ルールp.20図例参照):Longstreet(戦意は4)が率いる部隊は45戦力(騎兵8戦力含)持っており、砲兵力を4有しています。これを攻撃する北軍の3つの部隊は、それぞれ違うヘクスに陣取っており、各部隊をGrant, Hooker,Sheridanが率いています(3人とも戦意は2)。この3人の指揮官ともLongstreetに対する攻撃実施判定に成功した状態で戦闘シークエンスを迎えたものとします(Longstreetに対する波状攻撃が成立しています)。なお全ての部隊は平地におり天候は晴天とします。Grantは40戦力(騎兵4戦力含)と砲兵力を4有し、Sheridanは39戦力(騎兵4戦力含)と砲兵力を3有しています(ただしSheridanには戦時昇進マーカが置かれているので能力値が全て1低下しています)。またHookerは26戦力(騎兵2戦力含)と砲兵力を4有しています。ちなみに両軍とも戦意崩壊部隊は擁しておらず、シナリオ凄絶戦闘修正は+4であるとします。 数で劣るLongstreetは、4ヘクス離れた距離にいるHood率いる部隊をリアクション移動で自分のいるヘクスへ後詰めとして呼び寄せることにしました。HoodはLongstreetの指揮範囲(MR)内に居るので、Longstreetは管理ポイントを消費(コストは1AP)し、自分のMRでHoodをリアクション移動させることができます。Longstreetはサイを振って4以下の目を出したので、Hoodを4ヘクス分移動させて自身と合流させる事に成功しました。これによりHoodが率いる18戦力(騎兵4戦力含)と砲兵力1を加えることができました。なおLongstreetはHoodをスタックに組み入れる為に管理ポイントを消費(1AP)しなければなりません。この時点でLongstreetはどの北軍部隊に対しても騎兵優越を得ている事になります。更に全北軍司令官に対して戦意も優越しています(LongstreetのMLは4、北軍の司令官は全て2)。 両プレイヤーは、持てる全ての砲兵をこの戦闘に使用する為、全ての司令官(Grant,Sheridan,Hooker,Longstreet)は戦闘の前に2弾薬補給ポイントを消費しました(1ポイントは砲兵を使用する為、もう1ポイントは司令官が払う総合的な弾薬消費として)。なおHoodは司令官ではないので(従属指揮官)、自身が率いる砲兵参加の為だけに1ポイントを消費しました。 北軍プレイヤーは最初の攻撃をHookerに行なわせる事にしました。Hookerは射撃戦闘結果表(FERT)の21-28のコラムを使用します。出目修正は、彼の戦闘能力で+5、砲兵で+4、凄絶戦闘修正+4の計+13となります(騎兵戦力は劣勢ですが騎兵ユニット数は一緒として騎兵劣勢によるマイナス修正は適用しないものとします)。これに対するLongstreetの射撃は、戦力こそ63であるものの戦意優越を得て右に1コラムシフトして67-85のコラムを使用できます。出目修正は、彼の戦闘能力で+4(従属指揮官であるHoodの戦闘修正は使えない事に注意)、砲兵で+5、騎兵優越で+3、凄絶戦闘修正+4の計+16となります。お互いに射撃戦闘を解決して結果を求めますが、それは書き留めておいて、この一連の波状攻撃が終了してから適用します。 次に北軍はGrantで2度目の攻撃を行ないます。Grantは40戦力持っていますが、Longstreetに対する2回目以降の攻撃なので波状攻撃効果として右へ1コラムシフトして48-57のコラムを使用できます。出目修正は、彼の戦闘能力で+5、砲兵で+4、凄絶戦闘修正+4の計+13になりました(こちらも騎兵戦力は劣勢ですが騎兵ユニット数は一緒として騎兵劣勢によるマイナス修正は適用しないものとします)。これに対するLongstreetの射撃は、戦意優劣で右へ1コラムシフトするものの波状攻撃を受けて2回目の射撃となりますので左1コラムシフトが適用され相殺の結果58-67のコラムを使用することになります。かくしてお互い射撃を解決して結果を求めますが、それは書き留めておいて、この一連の波状攻撃が終了してから適用します。 最後に北軍はSheridanで3度目の攻撃を行ないます。実戦力は42戦力ですが2回目以降の攻撃なので右に1コラムシフトを得て、48-57のコラムを使用できます(波状攻撃で得られるコラムシフトは最大で1である事に注意)。出目修正は、彼の戦闘能力で+3(額面は4ですが戦時昇進により1減少している事に注意)、砲兵で+3、、凄絶戦闘修正+4の計+10となります(こちらも騎兵戦力は劣勢ですが騎兵ユニット数は一緒として騎兵劣勢によるマイナス修正は適用しないものとします)。これに対しLongstreetは戦意優越で右1シフト、3回目の射撃で左2シフトの結果48-57のコラムを使用します。そしてお互い射撃を解決して結果を求めますが、それは書き留めておいて、この波状攻撃が終了してから適用します。 まず全てのステップロスを適用します。より多くのステップロスを相手に与えた側はその戦闘に参加した全指揮官(従属指揮官含)の戦意が1レベル上昇します。なお砲兵、指揮官の損害はなく、戦意チェックの結果も受けなかったとします。次に退却判定を行います。それぞれの戦闘で相手に与えた退却度数を合計して比較したところ両軍とも同数で差は発生せず、どちらも退却しないで済みました。 しかし両軍とも接敵したまま戦闘シークエンスを終えたので、今度は延長戦闘の選択を行ないます。手番側である北軍にまず選択の権利が与えられますが、彼は延長戦闘を見送りました。次に非手番側の南軍に選択権が与えられ、延長戦闘の実施を決めました。これにより南軍は直ちに残りの作戦レベルから1レベルを支払います。 延長戦闘は南軍(Longstreet)が選択したので、彼が攻撃側となります。ただし攻撃は隣接する3つの北軍部隊の内いずれか1つにしか実施できません。そこで彼はSheridanを攻撃することにしました(隣接するどの敵を攻撃するかの選択は自由に行なえます。また延長戦闘なので管理値さえ消費(1AP)すれば攻撃実施の判定を行なう必要はありません) 次に両軍ともリアクション移動を行うことができます。ただしこれは行われなかったとします(全司令官とも管理値を使い果たしていたのです!)。この戦闘では北軍のGrantは自動的にSheridanに対して防御支援を与える事になります。なぜなら攻撃を行うLongstreetとそれを受けるSheridanの両方に隣接しているからです。これによりSheridanは射撃の際、Grantの戦力と砲兵力の半分を自身の戦力/砲兵力に加える事ができます。ちなみにHookerは防御支援可能な位置にいないので戦闘に関与できません。両プレイヤーとも砲兵力を使用するなら、再び司令官の総合的な弾薬消費と砲兵の為の弾薬補給ポイントを消費して、戦力、コラムシフト、出目修正を再計算し直します。両軍とも今度は1回しか射撃戦闘結果表(FERT)を使用しません。もしも南軍が延長戦闘によるリアクション移動でSheridanの隣接ヘクスに部隊を進ませていたなら、LongstreetはGrantを攻撃し、リアクション部隊にSheridanを攻撃させる事もできました。この場合これらは別々の戦闘として解決します。この際リアクション部隊は接敵に際して必ず管理値の消費(1AP)が義務付けられます(通常戦闘と異なり管理ポイントを消費できない部隊は接敵を禁じられるのです)。これによりLongstreetがGrantを攻撃するなら、自動的にHookerはGrantに対して防御支援を行えます(逆にSheridanは別口で攻められるGrantからは防御支援を得ることができなくなります)。 10.8 河川砲艦の戦闘 地上戦闘と同様に河川砲艦もインパルス中の戦闘シークエンスに各種の戦闘を解決することができます。河川砲艦が絡む戦闘には、河川砲艦vs河川砲艦、河川砲艦vs沿岸砲台があり、更に川岸で行われる地上戦闘に艦砲支援という形で関与することもできます。以下にその手順を述べます。 10.81 対艦戦闘 対艦戦闘は敵の河川砲艦または沿岸砲台の制圧範囲に侵入する事で発生します。この戦闘解決にあたり河川砲艦または沿岸砲台は自身のユニット左下に記載された水上戦闘力を使用します。解決の方法は戦闘に参加する全ての河川砲艦と沿岸砲台の戦闘力を合計し、攻撃側の合計戦力から防御側の合計戦力を引き、そこで得られた差を「水上戦結果表(The Naval Combat Table:NCRT)」の該当するコラムに当てはめて6面体サイコロの一振りで戦闘を解決します。もし差に端数が出た場合は切り上げして高い方のコラムを使用します。修正後の出目と戦闘力差の交差する欄に両者の戦闘結果が表示されています。地上戦闘とは違い対艦戦闘はファイア・パワー方式で撃ち合うのではなく、攻撃側の一振りで結果を判定します。 「水上戦結果表(NCRT)」で強いられる戦闘結果は、攻撃側と防御側が被るステップロスです。対艦戦闘終了後もまだ敵と味方の制圧範囲が重なっている場合、次のインパルスの手番側は、攻撃側として対艦戦闘を解決するか、可能であればそうしたヘクスから離れなけれるかしなければません(例えば沿岸砲台は自分から離脱できないので必然的に攻撃を行うしかありません)。 a.自軍の河川砲艦が沿岸砲台を含む敵を攻撃する場合は−1、逆に沿岸砲台を含む自軍が敵の河川砲艦を攻撃する場合は+1の出目修正が適用されます。 戦闘例:2戦力の北軍河川砲艦が単独で、3戦力の南軍沿岸砲台のあるヘクスにスタックした1戦力の南軍河川砲艦に攻撃を仕掛けたとします。この場合攻撃側2−防御側4で、その差−2の水上戦結果表(NCRT)欄に従ってサイを振ることになり、また敵に沿岸砲台が含まれるのでその出目には−1修正が適用されます。これではとても賢明な攻撃とは言えません。 10.82 沿岸砲台vs河川砲艦 幾つかのシナリオには南軍の沿岸砲台が登場します(その多くが塹壕マーカと共にあります)。沿岸砲台に記載された戦力はあくまで対艦戦闘用のもので地上戦には流用できず、陸にZOCを及ぼすこともありません。沿岸砲台は完全戦力面と減少戦力面の2ステップを持っていますが、それは対艦戦闘で強いられるステップロスを満たす為だけに使用されます。 沿岸砲台は、その矢印が指し示す1ヘクスサイドに河川砲艦と同様の制圧範囲を及ぼしています。北軍の河川砲艦は砲台の制圧ヘクスサイドを強行突破する事が可能ですが、この場合必ずそのヘクスサイドで移動を終了し、続く戦闘シークエンスにその沿岸砲台を攻撃しなければなりません(水上戦はマストアタックで攻撃実施判定はいりません)。次に迎えた自軍のインパルスにまだそのヘクスサイドにその河川砲艦がいるなら、そこを離れて移動を再開できます。北軍は南軍沿岸砲台の制圧ヘクスサイドを通り抜けて河川輸送および揚陸作戦を行なう事はできません。それを望むなら事前にその砲台を除去しておく必要があります。 a. 南軍インパルス中は沿岸砲台が必然的に攻撃側となります。「水上戦結果表(NCRT)」の結果としてステップロスを強いられた場合、もし沿岸砲台が塹壕マーカと共にあるなら塹壕レベルを1低下させる事で1ステップロスを満たす事ができます。勿論、塹壕ではなく直接沿岸砲台のステップを減少させる事にしても構いません。望むなら塹壕マーカが除去されるまで沿岸砲台にステップロスを割り当てないでおく事も可能です。 b. 北軍の地上戦闘ユニットは、他の南軍地上部隊とスタックしていないからと言って、移動中に南軍の沿岸砲台を踏み潰す事はできません。この場合、沿岸砲台に隣接して攻撃実施判定を行い、それに成功すれば自動的に沿岸砲台のあるヘクスへ戦闘後前進を行って沿岸砲台を除去することができます。 10.83 艦砲支援 もし河川砲艦ユニットが射撃を応酬し合う敵と味方の両方とに直接隣接している場合(この際、河川砲艦が存在するヘクスサイドは考慮する必要がありません)、自軍が行うその攻撃を艦砲支援することができます。自軍が防御側の場合は、攻撃を受ける自軍防御部隊にだけ隣接していれば、艦砲支援力を防御側の射撃修正に加算できます(この際、河川砲艦が存在するヘクスサイドは考慮する必要がありません)。 河川砲艦の右下に記載された数値が艦砲支援力です。艦砲支援力は、通常砲兵と同様に出目修正として扱われ、友軍の砲兵力に加える事ができます。なお河川砲艦は弾薬消費の必要がありません。 11.0 戦費シークエンス(通称:給与支払い) 各インパルスの終了時に、プレイヤーは地図上および編成ボックス上の「活性化」指揮官1人につき1戦費(WEP)を支払わなければなりません。なお予備指揮官プールにいる指揮官はこの戦費消費の対象外です。 また戦費はインパルス中に不本意に非活性化した指揮官についても支払わなければなりません(これには、強行軍に成功したものの移動終了後に非活性化を強いられた指揮官を含みます)。ただし自主的に非活性化したか、活性化の試みに失敗して非活性のままの指揮官は支払いの対象とはなりません。 12.0 再編成セグメント 再編成セグメントは、全ての活動インパルスが終了した後に実施されます。再編成セグメントは幾つかシークエンスに分かれており、これらの順番は厳密に守られなくてはいけません。これらのシークエンスには、補給再確認シークエンス、管理シークエンス、最後に河川移動シークエンスがあります。なお各シークエンス中は両軍とも同時に作業を実施しているものと見なされます。再編成セグメントが全て終わったらターンマーカを1つ先へ進め、次ターンを決定セグメントから開始します。 13.0 補給再確認シークエンス プレイヤーは、再編成セグメントの補給再確認シークエンスに、もう一度自分のユニットについて補給状態を確認しなければなりません。補給再確認シークエンスは、幾つかの分割された手順に分かれています。以下の手順の実施順は必ず守ってください。順に破壊活動ステップ、徴発ステップ、各種購入ステップ、最後に補給再確認ステップとなっています。 13.1 破壊活動ステップ(発展ルール) プレイヤーはここで敵を利する施設の破壊を試みる事ができます。これを破壊活動と呼びます。またこれら破壊活動は活性化指揮官のみ実行できます。破壊活動を行なう為には、まず破壊を試みるヘクスに存在するスタックの司令官が管理ポイントを消費(1AP)しなければなりません。破壊活動は、徴発を実施する前に行われなければいけません。成功した破壊の影響は原則としてそのシナリオが終了するまで継続します(橋梁は修理して再利用可能)。破壊活動は、町または大河川に架かる橋に対して実行できます。ただし南軍プレイヤーは北軍の上陸堡を乗り崩す事もできます。 13.11 大河川橋梁の焼き落とし 橋を焼き落として大河川の渡河を阻止する事が可能です。ただしこれを行う部隊は、最低1ユニットの騎兵を有していて、かつその橋梁ヘクスサイドを共有するいずれかの橋のたもとにいなければなりません。 それを率いる司令官が管理ポイントを消費(1AP)したら6面体サイを一振りし、"6"の目でのみ橋の焼き落としに成功します。焼き落とされた橋のヘクスに橋焼却マーカ(Bridge Burned)を配置してそれを示します。橋焼却マーカが置かれた橋梁ヘクスサイドは、北軍工兵旅団がその橋を架け直さない限り大河川を渡河する目的で使用する事はできません。なお同一の破壊活動ステップで、それを試みる部隊が騎兵を含み司令官が管理ポイントを消費(1AP)できる限り、何度でも継続して焼き落としの試みを行うことができます。 13.12 町の焼き討ち 町の焼き討ちする事で敵の徴発(補給充当)や募兵(ステップ回復)を阻止できます。焼き討ちする町ヘクスに位置する司令官が管理ポイントを消費(1AP)したら6面体サイを一振りし、"6"の目でのみ町の焼き討ちに成功します。焼き討ちされた町のヘクスに「焦土(Devestation)」マーカを配置してそれを示します。一旦焦土と化した町はシナリオ終了まで、もはやそこに町があったとは見なされません。なお同一の破壊活動ステップで、それを試みる司令官が管理ポイントを消費(1AP)できる限り、何度でも継続して町焼き討ちの試みを行うことができます。なお大都市や村落は焼き討ち不可です。 13.13 北軍上陸堡の乗り崩し この時点で北軍上陸堡ヘクスに存在する南軍2個旅団毎(歩兵または騎兵)に、北軍の戦費(WEP)を1ポイントずつ減少させる事ができます。北軍はこの上陸堡の乗り崩しを受けたなら直ちにWEP残量からその分だけ減少させなければなりません(インパルス中の鹵獲とは異なり南軍の戦費にはできません)。北軍はこれに続く管理シークエンスにおいて上陸堡を任意で除去できます〔14.34.b〕。この上陸堡の乗り崩しは、北軍がその上陸堡を除去しない限り、毎ターン行なう事ができます。 13.2 徴発(発展ルール) プレイヤーは徴発を実施する事で自軍部隊の補給確保および戦費(WEP)を新たに獲得できるかもしれません。徴発に成功して獲得した戦費は全て自分の残存WEPに追加できます。 13.21徴発の基本ルール 夏から秋にかけてのターン(6月〜9月の間)の徴発ステップにのみ、徴発を試みる事が可能です。徴発を行なう部隊の司令官は活性化指揮官でなければならず、なおかつその部隊は町か大都市ヘクスに位置していなければなりません。 13.22 徴発の手順 徴発を試みる部隊がいるヘクスも含め、隣接する周辺6ヘクスにある平地ヘクスの数を数えます(徴発において町ヘクスは平地と見なされます)。そして「徴発表(ForagingTable)」に従って6面体サイを一振りし、その出目と平地ヘクス数とが交差した欄にその徴発結果が示されています。 もし結果に"OU"とあれば、徴発を実施した司令官の上に"Own Use"マーカを配置します。もし結果に数字があれば、その数だけ自軍の残存戦費(WEP)を直ちに増加させる事ができます。 なお南軍の場合、オハイオ河より北で徴発を実施した場合に得られる戦費(WEP)は、記載された数字の2倍となります。ただしオハイオ河の北で徴発したからといって"Own use"は2倍にできません。 13.23 徴発の制限 敵ZOC内に位置する部隊は徴発を行なえません。徴発する部隊の周辺平地ヘクスの内、敵ZOCにある平地ヘクスは徴発時の平地ヘクスとしてカウントできません。また焦土と化した町ヘクスは一切徴発目的で利用できません(平地とも見なされません)。徴発する部隊の周辺平地ヘクスの内、橋または浅瀬の無い大河川を挟んだ対岸の平地ヘクスは徴発時の平地ヘクスとしてカウントできません。更に友軍指揮官が既に存在する平地ヘクスもカウントできません。これらの制限に抵触しない限りにおいて、同一の平地ヘクスを異なる友軍指揮官が徴発目的でカウントす